News

関節のゆるみとケガのリスク

2019.10.01

関節のゆるみとケガのリスク | 高校野球ドットコム
関節弛緩性テストの7項目をチェックしてみよう

 体の柔軟性が低下するとケガのリスクが高くなることはよく知られていますが、一方で体が柔らかすぎることでもケガのリスクにつながることがあります。これは筋肉などの柔らかさというよりも、関節がグラグラするようなゆるみを持っている場合に起こりやすいと考えられます。関節のゆるみは、ケガをきっかけとして骨と骨をつなぐ靱帯の強度が弱くなって起こるものと、生まれつき関節可動域(関節の動く範囲)が他人よりも極端に大きいことが原因となるものとがあります。

 もともと関節にゆるみがあるかどうかを確認するセルフチェック(関節弛緩性テスト)を行ってみましょう。鏡などを使うと自宅で一人でも簡単にできます。

 《関節弛緩性テスト》
1)母指が前腕につく
2)肘が15°以上過伸展する(肘が反り返る)
3)背中の後ろで指が組める(挙げた方の腕を測定側とする)
4)膝が10°以上過伸展する(膝が反り返る)
5)膝を曲げて足首が45°以上背屈する
6)前屈で手のひらが床につく
7)踵と膝をつけて足のつま先が180°以上開く

 できるものには1点、片側のみができるものは0.5点(1~5)とし、合計点数を出します。満点は7点です。

 この中で3点以上ある場合は、関節弛緩性があると判定しますが、女子アスリートや特に柔軟性が求められる競技(たとえば体操、バレエなど)はやや高くなる傾向にあります。6点以上の場合は関節の不安定性を軽減するために患部のトレーニングを行ったり、必要に応じて装具などを準備したりすることも検討しましょう。一方点数が低い場合(0点、1点)は関節周辺部にある筋肉などの柔軟性が低下していることが考えられるため、入念にストレッチを行うことがケガ予防につながります。

 またケガによって関節のゆるみを生じるものには、肩関節脱臼後のルーズショルダーや、足関節捻挫後の足首の不安定性、また投球側の肘を痛めてしまい、靱帯を損傷するタイプの野球肘などがあります。このような状態のままプレーを続けると、ケガを再発しやすくなるばかりではなく、プレーそのものも十分にできないといったことが起こりますので、関節のグラグラ感が改善しない場合は早めに専門家に相談するようにしましょう。

文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.27

慶應ボーイの学生監督が率いる慶應志木 来る夏は「現役の時よりも緊張するかもしれません」

2024.06.26

【南北海道】函館支部では函館大有斗が9回サヨナラ、函館大谷はコールド勝ち【2024夏の甲子園】

2024.06.26

【南北海道】室蘭支部では、第3シードの苫小牧東と鵡川が初戦に挑む【2024夏の甲子園】

2024.06.26

低反発バットなど関係ない!“飛距離モンスター”マーティン・キャメロン(東海大札幌) に大爆発の予感!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.27

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!