試合レポート

桐生第一vs桐光学園

2019.10.22

桐生第一打線が桐光学園の好投手・安達を攻略!4年ぶりのベスト4へ

桐生第一vs桐光学園 | 高校野球ドットコム
満塁本塁打を放った中島(桐生第一)

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 秋季県大会優勝の桐生第一桐光学園と対戦し、桐生第一が10対4で勝利し、2015年以来の関東大会ベスト4入りを決めた。

 この試合で注目が集まったのは、桐光学園のエース・安達壮汰のピッチング内容だ。好調時では130キロ後半の速球、切れのあるスライダー、チェンジアップ、カーブを低めに集めるピッチングはなかなか打ちにくい。ただ19日の1回戦の霞ヶ浦戦では、9回138球を投げており、中1日のマウンドでは、その疲れは抜けきっていない印象だった。

 ストレートのほとんどが120キロ後半~133キロ程度。平均球速でいえば、3キロ~5キロほど遅い。それを桐生第一打線は逃さなかった。

 4回裏、1番飯塚 一樹の二塁打でチャンスを作り、2番曽我 一瑳の左前安打で無死一、三塁のチャンスを作り、3番加藤 真樹朗の犠打野選の間に同点に追いつくと、なおも無死満塁から5番中島 優月が高めの直球を逃さず満塁本塁打。満塁本塁打の瞬間、スタンドから大歓声。地元の高校野球ファンを喜ばせる攻撃を見せた桐生第一は強打、機動力を絡め、安達から12安打10得点を奪った。今年の桐生第一は激戦区の群馬県を制しただけあって、打線のレベルが非常に高い。

 その中でも注目したいのが、満塁本塁打を放った中島優月。安達から3安打を放ち、左足をゆったりと上げて、手元までボールを呼び込んで前捌きでフルスイングをするクラッチヒッター。

 また4番で主将の廣瀬智也も期待の大型三塁手。パワフルなスイングから繰り出される打球の速さは圧巻。この試合のヒットは1本だが、対応力を高めることができればもっと評価が上がる選手となるだろう。

 今年の桐生第一はミート力が高く、脚力も高い左の巧打者が多い。その中で存在感を示したのは、2番・曽我 一瑳だ。4回裏にチャンスを広げる左前安打を放ち、7回には投手・安達の隙をつく、セーフティバントに成功。さらに二盗に成功し、追加点のホームを踏んだ。そして8回表にも左前安打とバットコントロールは秀逸なものがある、俊足巧打の左打者として覚えておきたい選手だ。

 敗れた桐光学園は、秋のブロック予選、県大会を通じて厳しいブロックに入り、どうしても安達に頼らざるを得ない投手運用となった。その中で投げ切った安達は見事だが、現状のままだと勤続疲労が夏に響く可能性がある。

 安達以外の投手育成は重要であり、安達が投げなくても強豪校に勝てるまでのレベルにするべきだと考える。

 野手の人材は神奈川県内でもトップクラス。あとは安達に頼りすぎない投手運用ができれば、十分に頂点が狙えるチームとなるだろう。

(文・=河嶋宗一

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第72回 秋季関東地区高等学校野球大会


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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