News

日本代表、ベネズエラに大逆転もまたしても技巧派左腕に苦しむ

2019.11.06

 11月2日に開幕したプレミア12。日本は5日にベネズエラとの初戦を迎え、8対4で逆転勝利を収めた。改めて日本の底力を感じた試合だった。

ただ、U-18代表の試合を見てきた方はずっと感じていたと思うが、トップチームも左投手に弱い。特に技巧派に弱い。これは日本野球の欠点である。

 初戦もベネズエラの先発左腕・フェリックス・ドゥブロンの投球の前に苦しんだ。

ドゥブロンは188センチの長身からインステップ気味に踏み込んで投げ込む。剛速球を投げるわけではないが、カットボール、チェンジアップ、曲がりが大きいカーブ、スライダーを丹念に低めに投げられる。フルスイングできる球がなく、当てる打撃になってしまう。特に良かったのはカットボールで、手元で鋭く切れるもので、簡単にミートができない。どうしても日本打線はカットボールに狙い球を絞っていくが、ベネズエラバッテリーはコーナーギリギリのストレートを投げて打ち取る。

 打者はカットボールの残像が残っているので、ストレートに手が出ない。さすがメジャー31勝左腕というべきピッチングだった。

 その後、日本は右投手のソティレットを攻略して一時は逆転に成功したが、日本がどれだけテクニックを得意とする左腕を苦手にしているのが分かる試合内容だった。

 ドゥブロンのピッチングに苦しむのは無理もない。事前に調べているとはいえ、どの打者も打ちにくそうな印象を受ける。

 これはトップチームだけではなく、高校日本代表も苦しんでいる。

 今年の大会でいえば、台湾戦で東北楽天の育成選手としての入団も決まった王彥程の前に1点しかとれなかった。また、逆転勝利を収めたパナマ戦でもマービン・ブラウンから4回まで1点しか取れず、5回裏にチャンスを作って、降板をさせて、石川昂弥東邦)の3ランで逆転に成功したが、テクニックを得意とする左腕には苦しんだ。

 嫌な流れから逆転したトップチームの底力は見事ではあるが、日本の最大のライバル・韓国は日本キラーの金廣鉉が代表入りしている。今回は3打数2安打の活躍を見せた浅村栄斗、3安打の活躍を見せた菊池 涼介の打撃内容は素晴らしいものがあった。

 ああいう打撃を多くの選手が実践できれば、勝利は近づくだろう。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.25

昨夏甲子園16強・北海の卒業生進路紹介!元巨人外野手の息子らが中央大、147キロ右腕は社会人へ

2024.06.25

【南北海道】函館支部では第3シードの函館西と函館大有斗が初戦に挑む【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【南北海道】室蘭支部では、第2シード苫小牧工が代表決定戦進出を狙う【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【南北海道】小樽支部予選が26日に開幕!8年連続代表校の北照が登場【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【滋賀】組み合わせ決まる!近江がいきなり彦根東と対戦<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.21

【長野】22日に抽選会!上田西と東京都市大塩尻の「2強」に長野日大が続く、松商学園はノーシードからの「逆襲」へ<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】