News

「声をかけられないのが非常につらかった」 渡邉正雄監督(大分商)は緊急ミーティングで選手の心のケアに尽力

2020.03.12

「声をかけられないのが非常につらかった」 渡邉正雄監督(大分商)は緊急ミーティングで選手の心のケアに尽力 | 高校野球ドットコム
大分商・渡邉正雄監督

 11日、新型コロナウイルスの影響で第92回選抜高等学校野球大会が中止となることが決まった。大会史上初となる出来事に野球界だけではなく、世間でも大きく取り上げられた。今大会の中止の大きさを改めて実感するが、今大会に出場予定だった大分商の渡邉正雄監督に時間をいただき、お話を伺った。

 まず今回の中止について話を聞くと、このように語った。
 「13日練習を再開する予定でしたので、選手たちは11日、自宅で待機していました。そこに中止の報道が出てしまい、生徒の近くにいられず声をかけられなかったのが非常につらかったです」

 渡邉監督も11日は高校入試の業務。その仕事の間に中止決定の速報が飛び込んできた。「嘘ではないか」とスタッフの間で話をしていたが、それは現実となってしまった。
 「今の情勢を考えて覚悟はしていましたが、夏の決勝戦に負けて悔しい思いをした選手たちが何とか掴んだ23年ぶりの甲子園。私も選手たちも社会情勢でこうなることは1%も考えていませんでした。ですので、中止になって甲子園にたどり着けないのは残念です」

 また、選手たちの精神面も心配だった渡邉監督は高校入試中だが、選手を急遽グラウンドに集めることを決めた。頭の中で今回の事態を整理できたとしても、16、17歳の選手たちでは心の仲間で整理ができない。そんな選手たちの心のケアをするためにミーティングを開くことにしたのだ。

 このミーティングを渡邉監督は並々ならぬ覚悟をもっていた。それは目標や人間性、そして感謝を大事に選手たちに指導をしているからだ。
 「僕は目標設定をしてから逆算しています。ですので、夏に向けてどういう風にしていこうか想定する必要があります。そのためにも選手の心を落ち着かせないといけないですが、僕がどんな言葉をかけるか。選手のこれからにとって一番大事な言葉になっていきますので。」

 大分商では自宅待機の関係で、練習をしたのは7日と8日の2日間のみ。高校入試も重なりなかなか練習ができなかった。練習があまりできなかったことに「可哀そうだ」と感じながら、開催を願って朗報を待った。結果として大分商の23年ぶりの甲子園は遠ざかることとなったが、今回の出来事をバネに夏の甲子園で大分商の選手たちが躍進する姿を見られることを強く願う。

関連記事
新型コロナの影響でセンバツ中止。そして各都道府県に影響。各県の大会変更・中止情報一覧
山梨学院・吉田監督は選手たちの心情を慮るも、日本高野連には感謝「最後までご尽力をいただいた」
センバツ中止に対する四国勢2校の対応 明徳義塾・馬淵監督「これを糧にして将来につなげて」

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.26

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.25

昨夏甲子園16強・北海の卒業生進路紹介!元巨人外野手の息子らが中央大、147キロ右腕は社会人へ

2024.06.26

低反発バットなど関係ない!“飛距離モンスター”マーティン・キャメロン(東海大札幌) に大爆発の予感!

2024.06.25

【南北海道】函館支部では第3シードの函館西と函館大有斗が初戦に挑む【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【南北海道】室蘭支部では、第2シード苫小牧工が代表決定戦進出を狙う【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.26

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】