小豆島中央vs香川中央
8・9回の大反抗で小豆島中央、待望の夏初勝利!
9回表に決勝三塁打を放った小豆島中央3番・山神 大和(3年・左翼手)
この試合の前夜・横浜DeNAベイスターズの2年目右腕・大貫 晋一投手が7回二死まで続けたノーヒットノーランと全く同じ。香川中央のエースナンバーを背負う右スリークォーター・稲木 友希(3年・165センチ67キロ・右投右打・綾川町立綾上中出身)の快投で進んだ小豆島中央と香川中央の闘い。
ただし、最終結果はノーヒットノーランを続けていた横浜DeNAベイスターズが快勝したNPBの舞台とは真逆。小豆島中央が8回に4安打・3四球・1犠飛で5点差を追いつき、9回表に二死三塁から3番・山神 大和(3年・左翼手・右投右打・174センチ71キロ・小豆島町立小豆島中出身)の右越三塁打で逆転を果たすという、実に夏の高校野球らしいダイナミックな展開であった。
とはいえ、この大逆転は決して偶然ではない。劣勢の中にあっても小豆島中央は「稲木くんは力んでいたので後半勝負と選手たちには言っていた」と大西 玲治監督が振り返ったように、勝利への意気は全く失っていなかった。 そしてもう1つの殊勲功は3投手をリードしつつ、2つの二盗を阻止した中西 健(163センチ67キロ・右投右打・小豆島町立小豆島中出身)である。
小豆島中時代は尽誠学園・宝来 真己-濵本 嵐士(現在は投手)大型バッテリーの陰に隠れ、古市 和真(3年・投手・169センチ63キロ・右投右打)と2番手バッテリーを形成していた中西。そこから指揮官も「よく野球の勉強をしている」と認める努力を重ね、旧チームから正妻の座に。さらに昨秋までは課題のあった二塁送球も「下半身を鍛えて体幹が安定するようになって、強いボールを投げられるようになった」。特に同点で迎えた8回表二死一塁からの「走ることは頭の中に入っていた中で低いボールを投げられた」二盗阻止は、チームの勢いを加速させる上での大きなポイントとなった。
そして、2017年4月・小豆島と土庄とが統合し新設4年目にして待望の夏初勝利をあげた小豆島中央の次戦は、最速147キロ右腕・内田 悠太(3年)がいる第2シード・大手前高松。間違いなく格上の相手を向こうに回して、3歳上の姉・愛さんが小豆島2年時にマネージャーとして2016年センバツ21隻枠出場を果たした快挙を身近で感じている中西をはじめ、2年半の間、双子の山を仰ぎつつ部員44人が心の手を結び続けた小豆島中央が、どのような戦いを見せるか注目したい。
(レポート=寺下 友徳)