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安田が進化する一方、山田とT-岡田は苦しむ。履正社高校OBの長距離砲たちに明暗

2020.07.31

安田が進化する一方、山田とT-岡田は苦しむ。履正社高校OBの長距離砲たちに明暗 | 高校野球ドットコム
進化を続ける安田尚憲

 ロッテの高卒3年目、安田尚憲が進化を遂げようとしている。大きな期待をかけられて入団した安田だが、ここまでは同学年の村上宗隆(ヤクルト)に大きく水をあけられ、清宮幸太郎(日本ハム)にも一軍での本塁打数では劣っていた。

 しかし今年は一味違いそうだ。打率は2割代前半とまだまだものたりないものの、7月21日の西武戦で「4番」を任されて以降は、7試合中6試合で安打を放ち打率は3割を超えている。7月28日の楽天戦では4番としての初本塁打も記録し、次代の中心選手として着々と成長中だ。

 チームには日本人選手の大砲は長らく不在。近年になって井上晴哉が頭角を現してきたくらい。その井上と同時期に安田が育ちつつあるのは、チームにとっても喜ばしいことだろう。

 そんな安田が結果を残し始めようとしている一方で、履正社高校の先輩である本塁打王経験者2人が苦しんでいる。山田哲人(ヤクルト)とT-岡田(オリックス)である。

 山田は、7月27日に約4年ぶりに登録を抹消された。今後は一軍に帯同しながら、調整を行っていくという。現在チームは2位につけているだけに、高津臣吾監督も山田が復調し戻ってくるまでなんとかやりくりしながら、復帰後のチャージを思い描いているはずだ。

 また、就任後に掲げた「2番・山田」構想も山田が不在ではもちろん機能しない。1日でも早い復帰が待ち望まれている。

 T-岡田も苦しんでいる。今シーズンは開幕から1番で起用され、その後5番へと打順を替えたT-岡田。序盤は6試合連続安打を放つなど結果が出ており、7月5日には打率3割を超えるなど好調だった。しかし、その後はピタリと当たりが止まり急下降。7月30日終了時点では打率.243と低迷している。

 7月23日の楽天戦の第1打席から7月28日の日本ハム戦の第3打席に安打を放つまで、12打席連続ノーヒットとまったく元気がなかった。チームは7月21日から行われた楽天との6連戦を4勝1敗1分と大きく勝ち越し、勢いが出てきただけに主砲の復活でさらに上昇気流に乗りたいところ。
 不振に苦しむ山田とT-岡田は後輩である安田に刺激を受け、復調を遂げることができるだろうか。ふたりの復活がチームの順位に大きく影響を与えることは間違いないだけに、本塁打王の意地を見せてくれることに期待がかかる。

(記事:勝田聡)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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