News

広島はどうする? 中村奨成ら捕手4人の起用法

2020.08.02

広島はどうする? 中村奨成ら捕手4人の起用法 | 高校野球ドットコム
中村奨成(広陵高→広島1位)

 今年高卒3年目を迎える2017年ドラフト指名組。すでに村上宗隆(九州学院高→ヤクルト1位)が、目覚ましい活躍を見せているが、ドラフト時の評価は清宮幸太郎早稲田実業→日本ハム1位)、安田尚憲(履正社高→ロッテ1位)の2人が抜けていた。

 そんな彼らと同等以上に評価されていたのが、夏の甲子園では史上最多となる6本塁打を記録し、チームを準優勝に導いた中村奨成(広陵高→広島1位)である。そんな中村が、7月25日にプロ入り以来初めて一軍に上がってきた。

 中村は昨シーズンまで一軍での出場機会はなく、また故障もあり、目立った成績を残すことができていないかった。しかし今シーズンは、ファームで打率.339(56打数19安打)とウエスタンリーグでトップと打撃面では大きな成長を遂げている。

 一軍昇格後はここまでは代打での3試合のみの出場であり、安打は生まれていない。また、マスクをかぶる機会も訪れていない。すぐのレギュラー奪取はむずかしいにしても、少ない出場機会の中でもなにかの手応えをつかみたいところだろう。

 現在の広島は會澤翼磯村嘉孝坂倉将吾と中村以外にも捕手での登録が3人いる。いずれも打撃面で優れており、中村にとっては超えなければいけない大きな壁だ。

 そして、この中では最年長となる會澤も今年32歳とまだ若い。さらに磯村は28歳、坂倉に至っては22歳とまだ20代。とくに坂倉は21歳の中村と1歳しか変わらない。石原慶幸から會澤へレギュラーが交代したような、「世代交代」という形でレギュラーになる道はほとんどないのである。

 優秀な若い捕手陣たちをどのように育成、あるいはコンバートを活用してチームにフィットさせていくかが、今後のチーム状況に与える影響は大きい。もちろん若い捕手をトレードに出して、その他の手薄なポジションを補強するという考え方だってある。

 近年のプロ野球は捕手の併用性が主流とはいえ、4人を併用するという例は見かけない。今シーズンは新型コロナウイルスの影響もあり、一軍登録人数(29人→31人)とベンチ入り人数(25人→26人)が拡大されている。その恩恵がなくなるであろう来シーズン以降、どのようなプランを持って広島は若き捕手陣を起用していくのだろうか。今から楽しみだ。

(記事:勝田聡

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.26

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.06.25

昨夏甲子園16強・北海の卒業生進路紹介!元巨人外野手の息子らが中央大、147キロ右腕は社会人へ

2024.06.25

【南北海道】函館支部では第3シードの函館西と函館大有斗が初戦に挑む【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【南北海道】室蘭支部では、第2シード苫小牧工が代表決定戦進出を狙う【2024夏の甲子園】

2024.06.26

低反発バットなど関係ない!“飛距離モンスター”マーティン・キャメロン(東海大札幌) に大爆発の予感!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.26

高知・土佐高校に大型サイド右腕現る! 186cm酒井晶央が35年ぶりに名門を聖地へ導く!

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】