試合レポート

沖縄尚学vs那覇

2020.09.25

3番知念が本塁打含む3安打!打線が爆発した沖縄尚学がコールドで二回戦へ進出

沖縄尚学vs那覇 | 高校野球ドットコム
本塁打を含む3安打をマークした知念大河(沖縄尚学)

 初回、沖縄尚学3番の知念大河がバットを振り抜くと打球は左中間一番奥の芝生席へ飛び込む大きな一発。コロナウイルス対策で極力声を出さないように配慮するスタンドの応援団も、思わず「おぉー!」と唸る会心の一発で打線に火がついた。

公式戦初アーチは、自身にとっても記念すべき一発

 「公式戦では初めての試合です」
 試合後、沖縄尚学の知念大河は、興奮を抑えきれないように思わずそう切り出した。聞けば一年生大会に出場しているではないか。その大会も立派な公式戦だが「全く活躍出来なくて」

 同じ二年生で、前チームでも主力であった後間翔瑚に比べると活躍出来ていない部分と、春の甲子園に繋がる秋の大会という部分。それが「僕の高校野球公式戦初ゲーム初打席」と思ってしまった。その初々しさも、ゲームの中では別人だ。

 初回、後間翔瑚が四球を選ぶと犠打で二塁へ。「真ん中からやや内側への甘い球」が来た知念大河がフルスイング。打った瞬間入ったと思ったという完璧な当たりは、練習試合も含めて高校通算5本目のアーチ。これで火がついた打線は二死から5番仲宗根皐がセンター前へヒット。6番・長濱諒がレフトへの二塁打で続くと、7番・比嘉丈人のタイムリーで二者が生還し一挙4点を奪った。

 沖縄尚学は2回、9番・前盛魁来の二塁打でチャンスを作ると知念大河がレフト前へタイムリー。内野ゴロで加点し、仲宗根皐もタイムリーを放ち7点目。4回にも知念大河が3打席連続となるヒットで出塁すると、7打者連続長短打が生まれる。試合が決した5回にも攻撃の手は緩まず、代打・木場飛和太に2点タイムリー三塁打が飛び出すなど、17安打15得点。

 投げてはU-15の日本代表にもなった仲宗根大斗が先発し3回を3安打無失点と、高校野球の公式戦初登板を無難にこなした。但し、比嘉公也監督は「全くの期待外」と、仲宗根大斗のこの日のピッチングには辛口。裏を返せば期待している逸材だけに、1回裏の先頭打者へ与えた四球などがもったいないと思わせたのだろう。

 「次の日曜まで、手綱を締めてきます。」昨年優勝したメンバーに、勝るとも劣らないメンツが揃うと信じているからこそ県内連覇は最低目標。そして、九州でリベンジしてのセンバツ出場こそ、指揮官にとっても譲れないもう一つの目標なのだ。

(文=當山雅通

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.07.05

春連覇した加藤学園は悲観達成を狙う! 静岡、日大三島、藤枝明誠、プロ注右腕・小船を擁する知徳らが行く手を阻む!?【2024夏・静岡大会展望】

2024.07.05

静岡大会ではノーシード勢が初戦、常葉大菊川、聖隷クリストファーが開幕6日に登場【2024夏の甲子園】

2024.07.05

大阪大会は京セラドーム大阪で6日に開幕、大阪桐蔭は14日、履正社は14日に初戦【2024夏の甲子園】

2024.07.05

三重大会が6日開幕、昨夏代表のいなべ総合が初日に登場【2024夏の甲子園】

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.30

突然の病で右半身が麻痺した「天才野球少年」が迎える最後の夏 あきらめなかった甲子園出場の夢、「代打の一打席でもいいから……」

2024.07.05

白山高元監督の“下剋上球児”再現はあるのか!? センバツ1勝の宇治山田商、2年生集団で東海大会準優勝の菰野など各ブロックの見所を紹介【2024夏・三重大会展望】

2024.06.30

【夏の甲子園・四国地区好カード一覧】いきなりビッグ右腕対決!?徳島では阿南光と生光学園が2回戦で対戦か!?

2024.06.30

クラーク記念国際、別海、帯広三条などが北北海道切符【北北海道大会出場校一覧】

2024.06.28

元高校球児が動作解析アプリ「ForceSense」をリリース! 自分とプロ選手との比較も可能に!「データの”可視化”だけでなく”活用”を」

2024.06.30

明徳義塾・馬淵監督が閉校する母校のために記念試合を企画! 明徳フルメンバーが参加「いつかは母校の指導をしてみたかった」

2024.06.28

最下位、優勝、チーム崩壊……波乱万丈のプロ野球人生を送った阪神V戦士「野球指導者となって伝えたいこと」

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!