試合レポート

城北vs國學院久我山

2020.10.19

城北が最大12点差を逆転で初戦突破!19年の西東京代表校・國學院久我山を撃破

城北vs國學院久我山 | 高校野球ドットコム
大逆転勝利を収めた城北

 19日、[stadium]ダイワハウススタジアム八王子[/stadium]で行われた秋季東京都大会1回戦では、城北が最大12点差をはね返す大逆転劇で、2019年の夏の甲子園出場校である國學院久我山を下した。

 序盤から國學院久我山ペースで進んだこの試合。
 初回に3本のタイムリーで4点を先制すると、2回以降も着実に得点を重ねて4回表までに8対1とリードを大きく奪った國學院久我山。中盤に城北も追い上げを見せるが、7回表には8得点を奪いこれで得点は16対4に。7回コールドで勝負は決まったかと思われた。

 しかし7回裏、ここから城北の驚異の追い上げが始まる。
 雨が強まるコンディションの中、國學院久我山投手陣は制球が安定せず、またストライクを取りにいったボールを痛打され、流れは完全に城北へと傾く。この回だけで10得点を奪った城北は、8回裏にも4得点を挙げて試合をひっくり返すことに成功した。

 結果論でしかないが、國學院久我山は好投の高橋を7回から代えたことが悔やまれる。高橋は6回を投げて8安打2失点と雨の中にも関わらず力投を見せていたが、確かに疲れも見えており、またこの先の投手起用を考えても7回での交代は決して悪い選択では無かった。

 だが、投手が代わったことで試合の流れに変化があり、マウンドに上がった投手も雨でぬかるんだマウンドに対応できていなかった。致し方ない面もあるが、結果的にこの投手起用が裏目に出てしまった。

 最終的に試合は18対17で城北が逃げ切り、大逆転で初戦を突破。
 試合後、城北の門多元監督は「ブロック予選でも8点差を取り返した経験があったので、繋いでいけば点は取れることを選手たちはわかっていたのだと思います」と語り、劇的な勝利に笑顔を見せた。

 初回にはいきなり守備の乱れもあったが、門多監督は守備面を今後の課題に挙げて「次戦までに調整をしていきたい」と話す。練習では打撃練習を重点的に行い、秋季大会はここまで3試合で41得点と持ち味を発揮してる城北。一次予選では本塁打を放った中島大我に、この3安打を放った井奥龍、4安打を放った増田滉生と好調な選手もおりチーム状態は非常に良いと見る。

 夏には東東京大会の2回戦で都立小山台も撃破しており、夏に続いて実力校撃破となった。持ち味を残しつつ、守備面にも磨きをかけることが出来るか注目だ。

 一方、大逆転を許して1回戦敗退となった國學院久我山。選手たちは、マスクの鼻筋部分を涙で濡らして球場を後にした。
 尾崎直樹監督は「原因を見つけて、取りこぼしのないチームを作ってきたいです」と言葉を絞り出すように語り、敗戦を悔やむ。

 コンディションは相手も同じで、尚且つ選手たちに油断した様子も決した無かった。それだけに、尾崎直樹監督の信じられないといった心境は痛いほど伝わってくる。
 制球が良く粘り強さもあるエースの高橋風太に、正確な送球とリードが持ち味の正捕手・黒川将太、シュアな打撃が光る内山凛など経験のある選手も多く、総合力も高いチームだけに、ここからの逆襲に期待したい。

(記事=栗崎祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.24

秋田の組み合わせ決まる!明桜が初戦からいきなり金足農と対戦、初戦から秋春の王者対決【2024夏の甲子園】

2024.06.23

【宮城】24日に抽選会!仙台育英優位も、他校にも十分チャンスあり、ノーシード東北の抽選結果にも注目<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.18

今夏埼玉の注目野手18人! ドラフト1位級の花咲徳栄スラッガーを筆頭に浦和学院・昌平らに大型選手が揃う【埼玉注目野手リスト】

2024.06.18

昨夏甲子園出場の東海大星翔進路紹介!遊撃手は阪神、エースは専修大、主将はレギュラーとして大学選手権出場!

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】