高卒ルーキーの長岡秀樹と武岡龍世に村上宗隆超えの可能性
長岡秀樹
ペナントレースも終盤戦に入り、各チーム若手選手を積極的に起用するようになった。今シーズン苦しい戦いが続いているヤクルトも同様だ。10月29日の広島戦では3年目の高卒3年目の金久保優斗(東海大市原望洋高)がプロ初先発。勝ち星こそつかなかったものの、5回無失点6奪三振、許した安打はわずかに1本と堂々の投球を見せた。
野手陣では高卒ルーキーの長岡秀樹(八千代松陰高)と武岡龍世(八戸学院光星高)が一軍帯同を続けている。2人揃ってのスタメン出場もあり、期待されている感がヒシヒシと伝わってくる。優勝やクライマックス・シリーズの出場権をかけた戦いではないとはいえ、若い2人にとっては大きな財産となるはずだ。
ここまで長岡は5試合、武岡は4試合の出場を果たしている。ヤクルトにおいて高卒1年目の野手が、これだけ出場するのはかなり珍しいことだ。
チームの先輩を見てもそれはよくわかる。現在、生え抜きの高卒野手は12人が在籍しているが、1年目に一軍デビューを果たしたのは7人だけ。そのなかで最多の出場数は、初打席初本塁打を放った村上宗隆(九州学院高)と川端慎吾(市立和歌山商)の6試合である。
山田哲人(履正社高)は1年目のクライマックス・シリーズでデビューを飾ったものの、公式戦には1試合も出場していない。ちなみに入団当時は投手だった雄平(東北高)は、1年目に30試合の出場(27登板)を果たしている。
残りは10試合あり、長岡と武岡のふたりはまだまだ出場試合数を伸ばすことだろう。このままいけば村上と川端の6試合を抜く可能性が高い。
とはいえこれは、高卒1年目の出場試合数だけの話であり、今後の活躍を保証するものではもちろんない。この経験を生かすも殺すも自分次第である。首脳陣の期待を背負っているふたりが来シーズン以降、ブレイクすることを心待ちにしている。
<ヤクルトの生え抜き高卒野手による1年目の出場試合数>
※☆は2020年の高卒1年目
※2020年10月30日終了時点
6試合:村上宗隆(九州学院高)、川端慎吾(市立和歌山商)
5試合:中村悠平(福井商)、☆長岡秀樹(八千代松陰高)
4試合:☆武岡龍世(八戸学院光星高)
2試合:廣岡大志(智弁学園高)、濱田太貴(明豊高)
0試合:山田哲人(履正社高)、西田明央(北照高)、上田剛史(関西高)、渡邉大樹(専大松戸高)、古賀優大(明徳義塾高)
(記事:勝田 聡)