有原航平(広陵出身)はMLB移籍叶うか ポスティングシステムで移籍した選手はほとんどが高卒プロ入り
高校時代の有原航平(広陵出身)
11月25日、日本シリーズでソフトバンクが巨人に勝利し日本シリーズを制した。これからいよいよ本格的なストーブリーグが始まることになる。
今シーズンもMLBへの移籍を目指す選手がいる。ひとりが澤村拓一(佐野日大-中央大)。今シーズン半ばに巨人からロッテへと移籍し復活を遂げた澤村は、海外FA権を行使する可能性が高いという。
また、有原航平(広島広陵-早稲田大)と西川遥輝(智辯和歌山)の日本ハム勢も、ポスティングシステムを利用すれば、同一年度に同一球団から複数人が同制度を利用した初めての例となる。
とくに有原は150キロに迫るストレートとチェンジアップ、フォークボールといった落ちる球。さらにはスライダーも投じるなど、多彩な変化球が持ち味。MLB移籍後にエースクラスは難しくとも、先発ローテーションの3番手や4番手としてフィットするチームは多い。また、年齢もまだ28歳と30歳を下回っていることもプラスになるはずだ。
前田健太(ツインズ)や田中将大(ヤンキース)にダルビッシュ有(カブス)らに続く先発右腕としての期待がかかる。
さて、これまでのポスティングシステムでMLBへ移籍した選手を振り返ってみると、多くの選手が高卒でプロ入りしていたことがわかる。金額の上限が設けられた2013年以降は田中将大(現ヤンキース)ら7人がポスティングシステムを利用して移籍を果たしているが、牧田和久(現楽天)をのぞく6人が高卒でのプロ入りだった。
それ以前を見ても、大卒からプロ入りした選手でポスティング移籍を果たしたのは早稲田大出身の青木宣親(ヤクルト)しかいない。投手に至ってはひとりもいないのである。
日本通運出身の大塚晶文(中日)や新日鉄君津出身の森慎二(西武)といった社会人出身の投手はいるが、不思議とポスティングシステムを利用した大卒投手の移籍例はない。
だからといって大卒投手のMLB移籍がないわけではない。海外FA権を行使しての移籍は多い。上原浩治(大体大→巨人)や黒田博樹(専修大→広島)に斎藤隆(東北福祉大→横浜)などがそうだ。いずれも30歳を超えてからMLB移籍を果たしたが、年齢の壁をものともせず結果を残した。
はたして有原は大卒でプロ入りした投手として初のポスティングシステムを利用したMLB移籍は叶うのだろうか。
<ポステイングシステムを用いてMLBへ移籍した日本人選手>
2000年:イチロー(愛工大名電高→オリックス→マリナーズ)
2003年:大塚晶文(日本通運→近鉄→中日→パドレス)
2004年:中村紀洋(渋谷→近鉄→ドジャース)
2005年:森慎二(新日鉄君津→西武→デビルレイズ)
2006年:松坂大輔(横浜高→西武→レッドソックス)
2006年:岩村明憲(宇和島東高→ヤクルト→デビルレイズ)
2006年:井川慶(水戸商→阪神→ヤンキース)
2010年:西岡剛(大阪桐蔭高→ロッテ→ツインズ)
2011年:青木宣親(早稲田大→ヤクルト→ブリュワーズ)
2011年:ダルビッシュ有(東北高→日本ハム→レンジャーズ)
2013年:田中将大(駒大苫小牧高→楽天→ヤンキース)
2015年:前田健太(PL学園高→広島→ドジャース)
2017年:大谷翔平(花巻東高→日本ハム→エンゼルス)
2017年:牧田和久(日本通運→西武→パドレス)
2018年:菊池雄星(花巻東高→西武→マリナーズ)
2019年:筒香嘉智(横浜高→横浜(DeNA)→レイズ)
2019年:山口俊(柳ヶ浦高→横浜→巨人→ブルージェイズ)
(記事:勝田 聡)
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