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明暗分かれる阪神の高卒選手たち

2021.02.19

明暗分かれる阪神の高卒選手たち | 高校野球ドットコム
井上 広大

 春季キャンプも中盤に入り紅白戦や練習試合が増えてきた。開幕までの調整が許されるベテランや主力以外の若手選手は、開幕一軍入りを目指してアピールを続けている。

 とくに高卒で入った若手は5年目くらいまでには、ある程度の実績がほしいところだろう。さてそこで各球団の期待の若手とでも言うべき、高卒2年目から5年目までの選手の現在地を確認してみたい。

 阪神はドラフト1位ルーキーの佐藤 輝明(近畿大)に注目が集まっているが、注目のスラッガー候補はもうひとりいる。高卒2年目の井上広大履正社高→2019年2位)である。

 昨シーズンは二軍で69試合に出場。打率.226(248打数56安打)、9本塁打と大砲の片鱗を見せた。一軍では6試合に出場。本塁打こそ生まれなかったものの、二塁打を放っている。2年目の今年は練習試合とはいえ、一軍の4番で起用され二塁打を記録した。高卒生え抜きのスラッガーは着実に成長していると見ていい。開幕前のレギュラー奪取は現実的ではないものの、一軍でのチャンスは与えられそうだ。

 3年目の小幡 竜平延岡学園高→2018年2位)も面白い存在だ。昨年は一軍で54試合に出場し多くの経験を積んだ。二塁・三塁・遊撃と複数の守備位置にもついており、レギュラー争うに名乗りを上げている。

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西 純矢

 一方の投手陣では西 純矢創志学園高→2019年1位)が期待されている。春季キャンプでは初の紅白戦、そして初の対外試合で先発のマウンドを任された。2月9日に行われた日本ハム戦では3回3失点。71球と球数も多く結果が出なかった。しかしその後のシート打撃では、打者9人に対し2安打とまずまずの結果を残している。今シーズン中の公式戦一軍デビューもありそうだ。

 その他では5年目の才木 浩人須磨翔風高→2016年3位)と浜地 真澄福岡大大濠高→2016年4位)が少し伸び悩んでいる。

 才木は2018年に22試合に登板し6勝をマークするも2019年は2勝。そして昨年11月にトミー・ジョン手術を受けたことで、今年は育成契約でリハビリに務めることが既定路線となっている。

 浜地は2019年に一軍デビューを果たし21試合に登板したものの、昨年はわずか1試合のみ。また新型コロナウイルスで陽性判定を示すなど苦しい1年だった。今春のキャンプでは二軍スタートだがここまでは順調。早期の一軍昇格を目指している。

 才木と浜地らの巻き返し、そして、ドラフト指名6人中5人(支配下)を高校生で固めた2019年組の井上と西のふたりが、今シーズンどれだけの成績を残すか楽しみだ。

【阪神の高卒2年目から5年目の選手】
※育成指名で現在も育成契約の選手はのぞく

<高卒5年目>
才木 浩人須磨翔風高→2016年3位)※現在は育成契約
浜地 真澄福岡大大濠高→2016年4位

<高卒4年目>
牧丈 一郎啓新高→2017年6位)※現在は育成契約

<高卒3年目>
小幡 竜平延岡学園高→2018年2位)
川原 陸創成館高→2018年5位)

<高卒2年目>
西 純矢創志学園高→2019年1位)
井上 広大履正社高→2019年2位)
及川 雅貴横浜高→2019年3位)
遠藤 成東海大相模高→2019年4位)
藤田 健斗中京学院大中京高→2019年5位)

(記事=勝田 聡

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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