入間向陽vs飯能南
打線好調な入間向陽が飯能南を5回コールドで退け初戦突破
伊藤翼(入間向陽)
昨年はCOVID-19感染拡大のため中止を余儀なくされた埼玉県の春季大会が2年ぶりに開催される。奇しくも昨日、隣県である東京都にまん延防止等重点措置が4月12日から適用されることが決まったが、埼玉県は今のところスケジュール通り大会が開催される予定だ。ただし、地区予選は原則無観客で野球部員とその保護者、学校関係者のみが入場でき、県大会から人数制限付きで一般観戦者も入場できる。
飯能市民球場の第1試合は昨秋地区予選で西部地区の強豪である聖望学園相手に、一時は6点差をつけられながら追いつくも延長の末敗れた入間向陽対飯能南の一戦となった。
先発は入間向陽・伊藤翼(3年)、飯能南の右サイドスロー加治屋雄輝(3年)と両エースが登板し試合が始まる。
試合は序盤から一方的な展開となった。
入間向陽は初回、飯能南・加治屋の立ち上がりを攻め立て、先頭の平塚凛(3年)が右中間へ二塁打を放ち出塁すると、一死後3番・朝倉力(3年)もレフト前ヒットを放ち一死一、三塁とする。さらに続く渡邉崚太(3年)の所で一走・朝倉が二盗を決め一死二、三塁とすると、渡邉はライトへ2点タイムリー二塁打を放つ。さらに5番・村岡永遠(3年)もセンター前タイムリーを放つなど入間向陽が幸先良く3点を先制する。
一方の飯能南もその裏、入間向陽・伊藤の立ち上がりを攻め、先頭の金子陽太朗(3年)がレフトへソロ本塁打を放ちすぐに2点差とするが後続が続かない。
3ランを放った田中崇太
入間向陽は2回表にも、立ち直る兆しの見られない飯能南・加治屋から2四球を選びさらに足を絡め一死一、三塁とし、早くも飯能南のエース加治屋をマウンドから引きずり降ろすことに成功する。代わった2番手・高山陽大(2年)に対しても代わり端に3番・朝倉がきっちりと犠飛を放ち再度3点差とすると、3回表には村岡、浅川功輝(3年)のヒットに四球も絡み押し出しと犠飛、さらに二死一、二塁から2番・田中崇太(3年)がライトスタンドへ3ラン本塁打を放つなどこの回一挙5点を奪い9対1とし試合の大勢は決した。
一方の飯能南もその裏1番・金子が2打席連続となるソロ本塁打を放つなど食い下がって見せる。
入間向陽はその後も攻撃の手を一切緩めず、4回表にも6番・本橋大輝(3年)のサード強襲タイムリーと8番・伊藤のライト前タイムリーで9点差をつけると、5回表には代わった3番手アンダーハンドの佐原雄大(3年)に対し、相手のミスを足がかりとし、渡邉の犠飛と村岡の2ランでコールドペースに持ち込む。
投げてはエース伊藤が、金子に2発被弾するなどヒットこそ浴びるが、飯能南の反撃を最少失点で切り抜ける。結局入間向陽が14対2と5回コールドで飯能南に勝利し初戦を突破した。
まずは飯能南だが、この日は投手陣が乱調気味で3投手がそれぞれ入間向陽打線に捉えられてしまった。打線も1番・金子が2本塁打を放つなど8安打を放ったが、序盤でのビハインドが重く、打線としてややつながりを欠き伊藤を攻略するまでには至らなかった。まずは夏までにエース加治屋を筆頭に投手陣の整備が求められるところか。
一方の入間向陽だが、とにかく打線が好調だ。昨夏の代替大会を経験している田中、渡邉、朝倉、村岡などが打線を引っ張り経験値の高さを感じる。昨秋の聖望学園戦で好投したエース伊藤や大量ビハインドから延長まで持ち込んだ粘りも自信につながっているようだ。
「冬場は振り込みを中心に練習してきたのでその成果が出たのかなと」
と入間向陽・今井監督も打線には自信を持っているようだが、次の相手は奇しくもその聖望学園だ。昨秋の時点で互いに投手陣の球筋を見ており、当然対策は練ってくるであろう。入間向陽が狙っている接戦に持ち込むことができるようだと面白い試合展開になりそうだ。
(取材=南 英博)