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帝京、早稲田実に..夏、ノーシードとして戦う関東の強豪校たち

2021.05.07

 今年の3月からゴールデンウィークにかけて、7日開幕の北海道を除く46都府県で熱戦が開催された。そこで多くの波乱があった。まずこの夏、ノーシードとして夏を戦う関東地区の学校を紹介したい。

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安川幹大と田和廉

【東東京】
修徳
帝京
岩倉

【西東京】
国士舘
早稲田実業
日大二

 まず東京では甲子園出場経験のある6校が序盤で敗退。昨秋ベスト8の日大二早稲田実業も敗退する結果となった。

 東東京は昨夏独自大会優勝の帝京は秋コールド負け、春は初戦敗退と苦しい戦いが続いている。選手の力量は高いものがあり、今年のエース・安川幹大は東東京でもトップレベルの好投手で、将来的に清水昇(國學院大-東京ヤクルト)クラスまで育つ可能性を持っている。そして打線の強化や終盤まで粘り強さだろう。

 岩倉は投打に能力が高い選手を揃え、特に投手の安定感が高まれば、夏ではベスト8以上は十分にいける戦力は備わっている。修徳のタレント力の高さは都内随一で、エース・床枝魁斗は140キロ前半の速球、キレのあるフォークで勝負する大型右腕。また3番・佐藤大空も今年の2年生外野手ではトップレベルのポテンシャルを秘めた右打ちの外野手で、シード校からすれば、かなり脅威のチームだろう。

 西東京では国士舘は強打の捕手・清水武蔵など打者のタレントは揃っているが、投手陣の整備が春に間に合わずコールド負けとなった。永田監督は夏まで投手を整備しつつも、今年は打ち勝つチームを示唆。18年秋、19年秋に見せた強打、軽打を織り交ぜた幅広い打撃を期待したい。

 早稲田実業は140キロ超えの速球と高速スライダーを持ち味にする右腕・田和廉は西東京を代表する好投手で、ラストサマーを迎える清宮福太郎とタレント揃いの好チーム。日大二も強力打線が持ち味。夏にはしっかりと仕上げるだけに怖いチームとなりそうだ。

【神奈川】
慶應義塾
桐蔭学園
鎌倉学園
立花学園
平塚学園
武相
横浜商大高

 神奈川は昨秋関東大会出場の鎌倉学園、ベスト4の桐蔭学園が敗退。また、東海大相模と壮絶な打撃戦を演じた平塚学園や、先進的な取り組みで好投手多数擁する立花学園にも注目が集まる。


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粟飯原 龍之介と宮下愛斗

【千葉】
東京学館
銚子商
市立柏
千葉英和
千葉明徳
東海大浦安

 千葉県では昨秋準優勝の東京学館が初戦敗退となったが、プロ注目の大型遊撃手・粟飯原 龍之介を中心に総合力が高いチーム。また投打に能力が高い選手を揃える市立柏、昨秋ベスト4の千葉英和、昨秋ベスト8の千葉明徳も打者にタレントが揃い、課題となる投手力を強化できれば夏も戦えるチームだろう。

 投手力が高い銚子商東海大浦安も瀬戸康彦監督就任から着実にチーム力をつけ、競争も激しくなっている。東海大浦安は伝統的に夏に強いチームであり、やはり怖いチームの1つだろう。

【埼玉】
川越東
聖望学園
狭山ヶ丘
市立川越
山村学園

 埼玉は東西南北の4地区に分かれて地区予選が行われ、特に西部地区は実力校がひしめくことで有名だが、いずれもノーシードに。ただ、他のシード校からすれば、脅威ではないだろう。

 昨秋、浦和学院を破った川越東。昨夏独自大会優勝も昨秋の地区予選で敗退した狭山ヶ丘も今年の県大会で浦和学院と0対4。昨秋のスタート時からすれば、大きな前進だ。

 他にも、市立川越聖望学園山村学園も夏までにしっかりと戦力を立て直すことに定評があり、やはり怖いチームであることは間違いない。

 他では、前橋育英桐生第一の群馬を代表する2校がコールド負けしたのもインパクトがあった。とはいえこの2校は選手の力量は高く、しっかりと立て直していけば、やはり夏は怖いチーム。シード校のどのブロックに入るのかに注目が集まるのではないだろうか。

(記事:河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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