好投の裏に父の支え。慶應義塾・前田晃宏が涙ながらに語った感謝
敗退後、父への感謝を語った前田晃宏(慶應義塾)
今大会はノーシードから勝ち上がってきた慶応義塾だったが、横浜創学館の前にあと一歩届かず2対5で敗れて準決勝で敗退した。試合後、涙を流す選手たちの中には、リリーフとして獅子奮迅の投球を見せたエース・前田晃宏(3年)の姿もあった。
4回途中からマウンドに登った前田は、「いつも通り、ああいった場面を任せてもらえるので、普段通り最高の準備をしていたので、最高のボールを投げられたと思います」と振り返るように、立ち上がりは三者凡退に切って取るこれ以上ないスタートを見せた。
しかし5回、横浜創学館も反撃に出る。先頭の倉谷快誓選手(3年)のヒットなどでピンチを迎えると、4番・長井俊輔(3年)、7番・齋藤慶太朗選手(3年)にタイムリーを浴びて4失点。
「自分の全力で力勝負しました」と振り返るが、真っ向勝負は打ち砕かれた。
今大会、前田は直前に膝を怪我した影響で、万全ではない中での投球が続いた。
トレーナーの指示を仰ぎながら、最初はテーピングを巻いた状態でのネットスローからリハビリを開始。そこから短期間で状態を上げていき、ギリギリの中でリリーフとしてマウンドに立った。
リハビリ期間中、支えになったのは、父であり、元プロ野球選手の前田智徳さんだった。
実は前田は昨秋は肩も怪我し、満足に野球ができない日々が続いたが、前田智徳さんのサポートもあり見事復活。父の支えなくして、この夏の好投はありえなかった。
「肩を怪我した時はリハビリにも付き合ってくれました。そのお陰でやっと治したのに、その後に膝を怪我してチームと両親には申し訳ないと思いました。
それでもチームの力にはなれましたし、両親のおかげでここまでこれました」
今後は膝の治療に専念し、大学野球へ向けた準備を進めると語る前田。
陸の王者のエースへ。近い将来、神宮球場のマウンドで躍動する姿を見られることを楽しみにしたい。
(記事=田中裕毅)
■大会の詳細・応援メッセージ
第103回 全国高等学校野球選手権 神奈川大会
■7月26日の試合
第103回 全国高等学校野球選手権 神奈川大会 | |
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準決勝 | 横浜 9 - 1 藤沢翔陵 サーティーフォー保土ヶ谷球場 応援メッセージ |
横浜創学館 5 - 2 慶應義塾 バッティングパレス相石スタジアムひらつか 応援メッセージ |
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