未来沖縄vs南部商
昨夏準VのKBC学園未来沖縄が順当勝ち
5回9安打中、4本が長打。圧倒的な力の差を見せたKBC学園未来沖縄が、昨年夏にあと一歩だった優勝へ向け、コールドで二回戦へ進出した。
４番・松竹が満塁弾、３投手がノーヒットリレー
この試合、KBC学園未来沖縄のエース松竹嬉竜は４番ファーストで出場。第一打席こそ力んで内野ゴロに終わったが、第二打席でどでかい一発を放った。
1回裏、KBC学園未来沖縄は注目の慶田城匠麻、東大夢、松竹嬉竜が揃って打ち取られ無得点。部員僅か6名で頑張ってきた南部商に、手をさし述べた知念野球部員4人を加えた10人は、強敵過ぎる相手をゼロに抑えた達成感から素敵な笑顔が溢れる。
「いいぞ！いいぞ！さぁ、ベンチの中へ入れ」南部商・平良隆訓監督は、強打者を打ち取ったサウスポー田端滉也をはじめとしたナインに、より自信がつく言葉をかけてあげた。強い、弱いじゃなくこの一瞬一瞬に自分たちがやれることを懸命にやる。高校野球のもう一面が、そこにはあった。
しかし、手を抜くことは許されない。
KBC学園未来沖縄が、2回にあっという間に南部商を飲み込む。まずは相手のエラーや四球を得てノーヒットで2点を奪取。1番に返って慶田城匠麻がセンター前へタイムリー。さらにヒットと四球で満塁として打席に4番松竹嬉竜。2球目をフルスイングすると、ボールはライトスタンドへ飛び込むグランドスラム。大会第6号の満塁ホームランで大量7点をボードに刻み込んだ。
KBC学園未来沖縄は、3回に上原英透が、4回には金城憲汰、5回にも新垣道之介と3人のピンチヒッターが全員長打を放つなど、層の厚さも見せつけて9安打10得点で5回コールドで勝利した。
マウンドに上がった平良圭太郎、山城寛太、久保田悠斗の3投手も全員ノーヒットピッチング。とはいえ、南部商ナインも5回までに3つの四球を選ぶなど、何とかして1点を取りたいという気持ちが伺えたし2回には二死満塁と、あと一歩のところまで行けたことは有意義だったのではないだろうか。
レンタル選手として力を貸した知念ナインとの、高校を卒業したあとも、最後の夏を共に過ごしたこの友情が続いていくことを願う。
（文＝當山雅通）
