八千代松陰vs千葉工
夏4強・八千代松陰がコールドで秋予選突破
八千代松陰二番手・中村 瑠哉
この夏は専大松戸の前に2対7で敗れベスト4で涙をのんだ八千代松陰。それでも兼屋辰吾監督は「3年生がしっかり踏ん張ってくれたのでその結果だと思います」と健闘を称えた。その3年生の意思を受け継ぎ、悲願の甲子園出場へ向け新たなスタートを切った。
県大会出場をかけた地区代表決定戦は千葉工を相手に7回コールドの9対1で勝利。投打で主導権を譲らなかった。初回、失策で出したランナーを二塁に置き、千葉工4番・飯塚 朝陽に左前へ運ばれ、先制点を許した。アウトのタイミングだったが、バックホームの送球が逸れた。「今後、勝ち抜いていく上でやってはいけないミスだった」と指揮官は気を引き締める。
それでもすぐさま同点に追いつき、3、4回には打線が繋がり4点ずつ奪って試合を決定付けた。7番・森 琉晴の勝ち越し二塁打など外野の間を割る長打も出たが、会心の当たりはなかった。森 琉晴の一打についても「まあ、だめですね…。もう少しいい打球を打てる選手なので」と期待を込める。
投手陣は制球力があってテンポが良い投球が持ち味の1年生右腕・平野 凌大、直球のキレで押す2年生右腕・中村 瑠哉の継投で初回の1失点のみでまとめた。
背番号12をつける中村は、春はベンチ入りを果たすも、夏はベンチ外となりスタンドで過ごした。「前チームではプレーで貢献できなかった」。悔しさを胸に公式戦初マウンドに登ると、最速は132キロというキレのある直球を主体に、常に3球勝負で千葉工打線を3回無安打に抑えた。
「ストライク先行でいけました。内容には満足していませんが、0点で抑らえれたことはよかったです」と前を向いた。前チームから経験のあるエース森 陽生ら5名の投手陣で挑むが「攻撃に勢いを与えられる投球がしたい」と闘志を燃やした。
今チームの主将を務める大竹 凌平は「ベスト4止まりの年が続いていて、でもそこじゃだめなので、『千葉県制覇』を目標に一戦必勝で戦っていきます」と力を込める。2019年夏は準優勝、昨夏独自大会は4強、今夏は4強と好成績を残すも、甲子園は1998年夏以来遠ざかっている。選抜出場に向けさらにレベルアップを目指し走り出す。
(記事=藤木 拓弥)