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過去首位打者のタイトル獲得選手は、ドラフト下位指名からも

2021.08.29

過去首位打者のタイトル獲得選手は、ドラフト下位指名からも | 高校野球ドットコム
吉田 正尚(オリックス)

 プロ野球のペナントレースは後半戦に突入し、各チームの残り試合は45試合前後となった。ここから優勝やクライマックスシリーズ出場権をかけた争いがより一層激しくなることだろう。と、同時にタイトル争いも盛り上がってくる。

 パ・リーグの首位打者争いを見ると吉田 正尚(オリックス/敦賀気比→青山学院大→2015年オリックス1位)と森 友哉(西武/大阪桐蔭→2013年西武1位)の首位打者経験者2人が上位を争っている。両選手ともドラフト1位指名で入団し早い段階で主力となった共通点がある。

 パ・リーグの首位打者を振り返ってみると、ドラフト下位指名からの躍進組も多くいる。
 2012年と2016年の2度首位打者を獲得している角中 勝也(ロッテ/日本航空第二→四国IL高知→2006年大社・ロッテ7巡)はドラフト7巡目指名だった。2013年の首位打者である長谷川 勇也(ソフトバンク/酒田南→専修大→2006年大社・ソフトバンク5巡)は5巡目の指名。2009年の鉄平(楽天/津久見→2000年中日5位)も5位でプロ入りを果たしている。

 鉄平は高卒、長谷川は大卒、角中は独立リーグ経由であり、様々な入団経路の下位指名選手から首位打者が誕生しているのも興味深い。

 セ・リーグを見ると、昨年の佐野 恵太(DeNA/広島広陵→明治大→2016年DeNA9位)と2017年の宮崎 敏郎(DeNA/厳木→日本文理大→セガサミー→2012年DeNA6位)がドラフト下位指名から首位打者まで上り詰めた。

 一方で2019年の鈴木 誠也(広島/二松学舎大附→2012年広島2位)や2016年の坂本 勇人(巨人/光星学院→2006年高・巨人1巡)、2015年の川端 慎吾(ヤクルト/市和歌山商→2005年高・ヤクルト3巡)ら上位・中位指名からも首位打者は誕生している。

 日本人選手だと“ほぼ”ドラフト1位指名選手ばかりとなる本塁打王とは異なり、首位打者はどのような指名順位からでも獲得する可能性があると言えそうだ。

 現時点では両リーグともに昨シーズンの首位打者が上位争いに加わっている。ドラフト下位から這い上がってきた佐野、ドラフト1位指名から順調にタイトルホルダーとなった吉田。対称的なふたりが2年連続でタイトルを獲得するか注目が集まる。

【首位打者】
※2005年以降

<セ・リーグ>

2020年佐野 恵太(DeNA/広陵→明治大→2016年DeNA9位)
2019年鈴木 誠也(広島/二松学舎大附→2012年広島2位)
2018年ビシエド(中日)
2017年宮崎 敏郎(DeNA/厳木→日本文理大→セガサミー→2012年DeNA6位)
2016年坂本 勇人(巨人/光星学院→2006年高・巨人1巡)
2015年川端 慎吾(ヤクルト/市和歌山商→2005年高・ヤクルト3巡)
2014年マートン(阪神)
2013年ブランコ(DeNA)
2012年阿部 慎之助(巨人/安田学園→中央大→2000年巨人1位※逆指名)
2011年長野 久義(巨人/筑陽学園→日本大→ホンダ2009年巨人1位)
2010年青木 宣親(ヤクルト/日向→早稲田大→2003年ヤクルト4巡)
2009年ラミレス(巨人)
2008年内川 聖一(横浜/大分工→2000年横浜1位 )
2007年青木 宣親(ヤクルト/日向→早稲田大→2003年ヤクルト4巡)
2006年福留 孝介(中日/PL学園→日本生命→1998年中日1位※逆指名)
2005年青木 宣親(ヤクルト/日向→早稲田大→2003年ヤクルト4巡)

<パ・リーグ>

2020年吉田 正尚(オリックス/敦賀気比→青山学院大→2015年オリックス1位)
2019年森 友哉(西武/大阪桐蔭→2013年西武1位)
2018年柳田 悠岐(ソフトバンク/広島商→広島経済大→2010年ソフトバンク2位)
2017年秋山 翔吾(西武/横浜創学館→八戸大→2010年西武3位)
2016年角中 勝也(ロッテ/日本航空第二→四国IL高知→2006年大社・ロッテ7巡)
2015年柳田 悠岐(ソフトバンク/広島商→広島経済大→2010年ソフトバンク2位)
2014年糸井 嘉男(オリックス/宮津→近畿大→2003年日本ハム自由枠)
2013年長谷川 勇也(ソフトバンク/酒田南→専修大→2006年大社・ソフトバンク5巡)
2012年角中 勝也(ロッテ/日本航空第二→四国IL高知→2006年大社・ロッテ7巡)
2011年内川 聖一(ソフトバンク/大分工→2000年横浜1位)
2010年西岡 剛(ロッテ/大阪桐蔭→2002年ロッテ1巡)
2009年鉄平(楽天/津久見→2000年中日5位)
2008年リック(楽天)
2007年稲葉 篤紀(日本ハム/中京→法政大→1994年ヤクルト3位)
2006年松中 信彦(ソフトバンク/八代第一→新日鉄君津→1996年ダイエー2位※逆指名)
2005年和田 一浩(西武/県立岐阜商→東北福祉大→神戸製鋼→1996年西武4位)

※数字は2021年8月27日終了現在

(記事:勝田 聡

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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