試合レポート

八王子vs国士舘

2021.10.17

八王子vs国士舘 | 高校野球ドットコムこの試合のプレー写真は、記事の最終ページの下部に表示されています

八王子 寺内のダメ押し三塁打で国士舘の追撃を振り切り3回戦へ

八王子vs国士舘 | 高校野球ドットコム
八王子 星野翔太

 雨がかなり強く降ったかと思えば、薄日が差したり、また雨が降ったりと、変化の激しい天気の中で行われた試合は、天気同様、変化の激しい試合になった。昨年、秋季都大会3連覇を目指した国士舘は、2回戦で八王子に敗れた。この試合はリベンジマッチという形だが、またも苦戦を強いられた。

 国士舘の永田昌弘監督は、「ピッチャーが誤算でした」というように、投手陣が序盤で失点を重ねた。永田監督としては、エースの鈴木駿之介に始まり、最後は背番号11の小笠原天汰で締めるというプランであった。しかし2回裏八王子は6番・堀翔太、8番・比留間智大と下位打線の2本の安打と内野ゴロで1点を先制すると、3回裏には一死一、二塁から5番・片山悠真の左前安打と、6番・堀の右犠飛などでさらに2点を追加。5回裏には堀の二塁打でさらに1点を追加して、八王子が試合の主導権を握った。

 八王子には星野翔太片山悠真という2人の大型投手がいる。「星野の方が経験もあるし、球も速い。片山が先に投げて、良ければ、そのまま終わりまで投げて、場合によって、星野につなぐ方がいいと思っています」と安藤徳明監督は言う。星野の調子が良くないだけに、片山がどこまで持つかが重要だ。

 八王子の先発・片山は快調に飛ばし、5回まで国士舘打線を散発の2安打無失点に抑えていた。けれども国士舘との試合は、そう簡単には終わらない。6回表国士舘の攻撃で一死後、片山は3連続四死球で一死満塁となる。ここで左翼手として出場していた星野が、急遽マウンドに上がる。国士舘の4番・伊藤哉太はホーム前のインフィールドフライ。これを八王子の捕手が落球。スタートを切っていた三塁走者の米良和宏がホームを駆け抜け、1点を返す。さらに5番・本間凌哉がレフト線に二塁打を放ち、2点を返し差は2点。試合は分からなくなってきた。

 追加点が欲しい八王子であるが、7回裏、この回先頭の3番・市橋優大が二塁打で出塁したものの、点が入らないまま二死二、三塁になる。打席には7番の1年生・寺内夕萌。「緊張していました」という寺内であったが、1ボール2ストライクからの5球目を叩くと、打球は左中間を抜けて、2人が生還。さらに中継の乱れもあり、寺内も一気にホームインした。「真ん中付近のストレートでした。ヒットになればと思っていました」と寺内は語る。この3点は大きかった。この回八王子はさらに1点を追加する。

 国士舘も粘り、8回表に2点を返し、9回表も安打3本を連ねたものの、最後は5番・本間の遊ゴロが併殺になり、2時間49分の熱戦は終わった。

 国士舘としては、投手陣の不振が響いた。永田監督は、「負けたのは監督の責任」と語る。秋に強い国士舘にしては、厳しい内容の試合だった。それでも、ベテラン監督がどう立て直すか、注目したい。

 勝った八王子であるが、1回戦に続き、片山、星野の投手陣の調子が気になるところだ。1回戦で創価に勝ち、2回戦で国士舘に勝った八王子だが、次は日大三との対戦になる。「1回戦から6試合、全部決勝戦のつもりでやっています」と安藤監督。3回戦も強豪同士の対決になる。

(記事=大島 裕史


八王子vs国士舘 | 高校野球ドットコム
3回マウンドに集まる国士舘

八王子vs国士舘 | 高校野球ドットコム
7回寺内夕萌、三塁打と敵失で本塁を狙う

八王子vs国士舘 | 高校野球ドットコム
7回寺内夕萌(左)三塁打と敵失で一気に生還

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.24

秋田の組み合わせ決まる!明桜が初戦からいきなり金足農と対戦、初戦から秋春の王者対決【2024夏の甲子園】

2024.06.24

昨夏甲子園出場の文星芸大附の卒業生進路紹介!主力は上武大、国士舘大、東京農業大へ進学!

2024.06.24

夏の滋賀を盛り上げる23人の逸材を紹介!近畿屈指の大型遊撃手・岩井(滋賀学園)、名門・近江の大エース西山など投打に人材揃い

2024.06.24

【北北海道】北見支部では北見工が33得点の圧勝でコールド発進【2024夏の甲子園】

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.19

夏の兵庫大会のヒーロー候補21人!報徳学園・今朝丸、神戸弘陵・村上の「151キロ右腕二人」が筆頭格!投打にタレント揃いの東洋大姫路にも注目

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】