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「BIG4」だけじゃない!センバツ出場する注目1年生たち その名を全国区にできるか?

2022.01.29

「BIG4」だけじゃない!センバツ出場する注目1年生たち その名を全国区にできるか? | 高校野球ドットコム
麻原 草太(クラーク記念国際)、高橋 海翔(山梨学院)、三好 元気(聖光学院)

 2022年第94回選抜高校野球大会に出場する32校が決定した。開幕となる3月18日から阪神甲子園球場で熱戦の火蓋が切って落とされる。

 今センバツの注目は、なんといっても「1年生」。昨年の秋の各地区大会では全国の1年生が大暴れした。新2年生となるこの年代は、将来大きく飛躍する年代になるかもしれない。そんな予感もするくらいだ。

 高校通算50本塁打の巨漢スラッガー3番、花巻東(岩手)の佐々木 麟太郎内野手と、広島広陵(広島)の4番「ボンズ」こと真鍋 慧内野手、さらに九州国際大付(福岡)の巨漢4番の佐倉 俠史朗内野手の野手陣に加え、大阪桐蔭(大阪)のスーパー1年生と称される前田 悠伍投手が加わった4人は、22年度センバツの「BIG4」といってもいい。それぞれが昨年秋の地区大会から明治神宮大会で活躍を見せ、全国にその名をとどろかせた。

 しかし、このセンバツに出場するチームでさらに活躍が期待できる1年生は多い。「BIG4」以外の1年生に迫ってみたい。

 以下は昨年秋の各地区大会の成績で、1年生だけの打率、本塁打、打点のランキングを作成してみた。地域レベルの差、試合数の差があり、数字はあくまで参考ながら、特徴ある選手がいるのが分かる。(21世紀枠は除く)

<打率上位ランキング>(規定打席=試合数×3.1以上)
1位 高橋 海翔内野手(山梨学院)   .556(4試合18打数10安打)
2位 濵野 孝教内野手(敦賀気比)   .533(4試合15打数8安打)
3位 木津 寿哉内野手(國學院久我山) .500(6試合20打数10安打)
4位 佐々木 駿弥内野手(金光大阪)  .455(3試合11打数5安打)
5位 佐仲 大輝捕手(山梨学院)   .429(4試合14打数6安打)
   松下 水音内野手(広島広陵)   .429(4試合14打数6安打)
7位 山田 渓太外野手(大垣日大) .417(3試合12打数5安打)
8位 真鍋 慧内野手(広島広陵)      .400(4試合15打数6安打)
   池口 奏内野手(日大三島)   .400(3試合10打数4安打)
   野田 優磨捕手(日大三島)   .400(3試合10打数4安打)
   米津 煌太内野手(大垣日大).400(3試合10打数4安打)

<本塁打ランキング>(本塁打を放った全選手)
1位 佐倉 俠史朗内野手(九州国際大付) 2本(打率.357、4試合14打数5安打)
2位 佐々木麟太郎内野手(花巻東)   1本(打率.385、4試合13打数5安打)
   伊藤 剛志内野手(敦賀気比)    1本(打率.333、4試合6打数2安打)
   白井 賢太郎内野手(九州国際大付) 1本(打率.294、4試合17打数5安打)

<打点上位ランキング>
1位 木津 寿哉内野手(國學院久我山) 8(打率.500、6試合20打数10安打)
2位 佐倉 俠史朗内野手(九州国際大)7(打率.357、4試合14打数5安打)
2位 真鍋 慧内野手(広島広陵)      7(打率.400、4試合15打数6安打)
4位 白井 賢太郎内野手(九州国際大付)6(打率.294、4試合17打数5安打)
5位 高橋 海翔内野手(山梨学院)   5(打率.556、4試合18打数10安打)
5位 進藤 天内野手(山梨学院)    5(打率.357、4試合14打数5安打)


「BIG4」だけじゃない!センバツ出場する注目1年生たち その名を全国区にできるか? | 高校野球ドットコム
前田 悠伍(大阪桐蔭)、佐藤 大介(広島商)

 記録をつぶさにみてみると気になる選手がいた。本塁打こそマークしていないが、國學院久我山(東京)の木津は、チームへの貢献度が大きいことが分かる。

6試合 20安打 6得点 10安打 3二塁打 13塁打 8打点
2三振 2四球 0死球 4犠打 1犠飛 4盗塁 0盗塁刺 0併殺打
打率.500 出塁率.522 長打率.650 OPS1.172

 東京都大会の打点を見ると、安打による打点以外にも犠飛、スクイズでも挙げている。さらに、1回戦、3回戦では無死一塁から二盗に成功。準決勝の日大三戦では二塁走者として三盗にも成功し、決勝では得点にこそ結びつかなかったが1死二塁から三盗にも成功している。二塁打も3本放つなど、13塁打も1年生のなかではトップの数字。まさに打って走ってつないでと、2番打者としての役割を十分に果たしている。パワーばかりに目がいきがちだが、1年夏から2番に座る経験も生かした野球センス抜群のプレーでチームを勝利に導く姿を甲子園でも見せてほしい。

 打率.556をマークした山梨学院(山梨)の高橋 海翔内野手は4番に座る。昨年秋の関東大会では初戦から3試合連続猛打賞を放つ活躍を見せたが、昨年秋の地区大会で4番を任された1年生は8人もいた。

クラーク記念国際麻原 草太捕手
聖光学院三好元気外野手
山梨学院高橋 海翔内野手 
木更津総合水野 岳斗外野手 
市立和歌山大江 陸斗内野手 
広島広陵・真鍋 慧内野手
九州国際大付佐倉 俠史朗内野手 
有田工角田 貴弘内野手

 日大三島(静岡)と金光大阪(大阪)は1年生5人がスタメン出場を果たした試合もあった。花巻東・佐々木、広島広陵・真鍋、九州国際大付・佐倉以外にも、バットでチームに貢献する1年生から目が離せない。

 投手に目を移すと、やはり大阪桐蔭・前田投手が飛び抜けている。2試合に先発するなど3試合に登板、17回を投げ11奪三振、自責点が0(失点1)で防御率は0.00。

 前田以外で目を引くのは広島商(広島)の佐藤 大介投手。中国大会すべてリリーフで3試合に登板し6回を自責点0(失点1)に抑えた。倉敷工(岡山)との準決勝では3点ビハインドの6回から3イニングを無失点に抑えて、8回裏の7得点大逆転劇を呼び込んだ。

 その他、花巻東北條 慎治投手、二松学舎大附(東京)の大矢 青葉投手、星稜(石川)の武内 涼太投手など、センバツデビューで、すい星のごとくヒーローになるポテンシャルは秘めている。現段階で、打者ほど派手さはないが、投手にも注目したい逸材はいる。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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