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センバツでDeNAドラ1と投手戦演じる 144キロ左腕・野崎慎裕は法政大で覚醒するか

2022.01.30

センバツでDeNAドラ1と投手戦演じる 144キロ左腕・野崎慎裕は法政大で覚醒するか | 高校野球ドットコム
野崎慎裕(県立岐阜商)

 東京六大学で最多タイとなる46回の優勝実績を残している法政大。各学年に実力者が揃い、選手層の厚さが光るチームの主将として、横浜齊藤大輝内野手を抜擢。齊藤を中心に47回目の優勝を目指して再び春季リーグに挑む。

 法政大は先日、4月から入学する新1年生を発表。新たな逸材たちが多く入団することになるが、そこに名前があったのは、野崎慎裕投手(県立岐阜商)だ。

 最速144キロを計測し、2020年の甲子園交流試合から3季連続で甲子園出場を果たした世代屈指のサウスポー。特に3年生のセンバツでは市立和歌山戦で先発すると、6回68球無失点と好投。試合には敗れたが、当時、市立和歌山のエースにして、現在はDeNAのドラ1として1軍キャンプに参加する小園健太投手と投げ合いを演じた。

 安定感にあふれる投球でドラ1右腕と1歩も譲らない投手戦を見せ、全国にインパクトを与えた。これだけの投球ができるのは、技術と思考の両輪がかみ合っているからだ。

 技術面からいえば、最速144キロの真っすぐのみならず、2種類のスライダー、チェンジアップに、カーブと多彩な変化球を持っている。しかも、ストレートから10キロごとに球速差を持たせている。これは、県立岐阜商・鍛治舎監督の指導方針によるものだが、上手く緩急も使えることになり、投球に幅を持たせている。

 配球への強いこだわりを持っている。1年生春に公式戦で打ち込まれたことをきっかけに、プロ野球の中継や、鍛治舎監督からもらったという配球に関する冊子を読み込むなど、意図をもった投球を心掛けるようになったことで、結果が出てきたと話す。

 野崎とともに法政大に入学する左腕は、日大三宇山 翼投手と倉敷商永野 司投手。この2人に比べても野崎は経験値が豊富なだけではなく、引き出しも多く優れた投球術の持ち主といっていい。

 3度出場した甲子園すべて9回完投をしておらず、途中交代している。特に夏の甲子園・明徳義塾戦は立ち上がりから140キロを連発していたものの、徐々に球の勢いが失われ、スタミナ面に課題が見られた。とはいえ、名将・鍛治舎監督も夏の甲子園では野崎の経験値の高さを信じて先発に起用するなど、高い信頼を寄せていた教え子だった。

 2021年のドラフトでは左腕・山下輝投手(木更津総合出身)がヤクルトドラフト1位となったように、投手層も厚みがある法政大。鍛治舎チルドレンの野崎が大学4年間で大きく成長し、ドラフト指名選手に名が挙がることを期待したい。

[page_break:法政大推薦合格者一覧(ふりがな、出身校付)]

【投手】
宇山 翼(うやま つばさ、日大三
永野 司(ながの つかさ、倉敷商
野崎 慎裕(のざき のりひろ、県岐阜商)
藤森 粋七丞(ふじもり いきなすけ、青森山田
船木 佑(ふなき たすく、米子東

【捕手】
川上 陸斗(かわかみ りくと、福岡大大濠
菅野 樹紀(すがの たつき、土浦日大

【内野手】
石黒 和弥(いしぐろ かずや、高岡商
品川 侑生(しながわ ゆうせい、三重
浜岡 陸(はまおか りく、花咲徳栄
松下 歩叶(まつした あゆと、桐蔭学園
山下 陽輔(やました ようすけ、智弁学園)

【外野手】
池田 惟音(いけだ いおん、静岡
内山 陽斗(うちやま はると、天理
宮原 一綺(みやはら いつき、常総学院

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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