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【センバツ】近畿勢対決など準々決勝4試合は見どころ満載!

2022.03.28

【センバツ】近畿勢対決など準々決勝4試合は見どころ満載! | 高校野球ドットコム第94回選抜大会のトーナメント表
浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
ベスト8以上の組み合わせ

浦和学院vs九州国際大付の見どころ

【センバツ】近畿勢対決など準々決勝4試合は見どころ満載! | 高校野球ドットコム
宮城誇南、香西一希

 浦和学院については、今大会未だ無失点の左腕エース・宮城 誇南投手(3年)の安定感が抜群。16回を投げて、無失点の快投を演じており、130キロ後半の速球を内外角にしっかりとコントロールできる左腕投手はなかなかいない。2回戦(24日)では7回78球だっただけに、中3日での登板でコンディション的にも十分。打線は金田 優太内野手(3年)、鍋倉 和弘内野手(3年)、高山 維月捕手(3年)のクリーンアップの破壊力も今大会屈指。本塁打を放っているチームで、ロングヒットも期待できる。

 2番・伊丹 一博外野手(3年)も強打の2番打者として機能している。今回、カギになるのは1番打者を誰に置くか。120キロ台の速球で内外角を徹底的に攻める九州国際大付の左腕・香西 一希投手(3年)が相手になるだけに、対応力が高い右打者の対応がカギとなりそうだ。昨秋から進化の兆しが見える伊丹、八谷 晟歩主将(3年)の活躍に期待したい。

 対する九州国際大付は、エースの香西が2試合で安定感抜群の投球を見せている。ベスト8に勝ち上がった投手で最も遅い120キロ前半の速球で勝負するが、球質がよく、コントロールも抜群なため、かなり打ちにくい。球速が速くない左投手が強豪校にどんな投球をすればいいのか、お手本のような投球ができている。少ない失点が計算できそうだが、万が一、打たれた時のために野田 海人捕手(3年)の起用も十分考えられる。野田は140キロ前半の速球、キレのある変化球を投げる速球投手。短いイニングで打ち崩すのは難しい。

 打線は2回戦(広島広陵戦)で5打数4安打4打点の結果を残した黒田 義信外野手(3年)、野田、2年生4番・佐倉 侠史朗内野手、小田原 義外野手(3年)と能力の高い打者が揃っている。どこからでも点が取れる。

 投手、打撃、守備ともにハイレベルなチームなだけに、3点〜5点勝負の熱戦となりそう。どちらが両エースを打ち崩すことができるか注目だ。


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近江vs金光大阪の見どころ

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山田陽翔、古川温生

 第94回選抜高等学校野球大会大会10日目。準々決勝第2試合は近畿勢対決となった。

 近江(滋賀)vs金光大阪(大阪)

 なんと昨秋の近畿大会準々決勝のカードがセンバツ準々決勝で実現した。ただ中身が違う。近江はエースの山田陽翔投手(3年)が復活し、金光大阪は投打ともにレベルアップを見せており、特にエース・古川温生投手の成長が著しく、140キロ前半の速球、切れのある変化球で勝負し、安定した投球を見せている。

 金光大阪のエース・古川はやはり球数の多さが気がかりだ。21日の1回戦・日大三島戦で138球、さらに2回戦の木更津総合戦では、13回を投げて、160球。中2日で準々決勝を迎えられるとはいえ、後半以降のスタミナが気になる。それでも無駄のないフォームで投げるので、序盤で勢いに乗れば、一気に後半までいってしまう予感はする。

 一方、近江の山田は20日の1回戦・長崎日大戦は13回を投げ、165球、25日の聖光学院戦では、87球完投勝利。ダメージが少ない形で、中2日の準々決勝を迎えるというのは大きい。打撃好調の三塁・中瀬 樹内野手(3年)など巧打者が非常に多い近江。甲子園の戦い方を心得ており、集中打で畳み掛けたり、細かい戦術で得点を重ねるのが上手いチーム。

 この試合については、なんだかんだで両エースが実力を発揮し、ロースコアの熱戦が期待されるのではないだろうか。どの選手が突破口を切り開く一打を打つことができるか注目だ。


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國學院久我山vs星稜の見どころ

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マーガード 真偉輝 キアン、上田太陽

 第94回選抜高等学校野球大会大会10日目。準々決勝第3試合は國學院久我山(東京)vs星稜(石川)の一戦だ。

 國學院久我山(東京)vs星稜(石川)

 國學院久我山は弱みだった投手陣が甲子園でも好投を見せ強みとなった。打力が高いエース・成田陸投手(3年)、大型左腕・渡辺建伸投手(3年)、キレの良い直球を投げ込む左腕・松本 慎之介投手(3年)と昨秋よりも明らかに基礎能力の向上が見られ、守備面で計算が立つようになったのは大きい。

 またここまでの2試合、昨夏の西東京大会、昨秋の都大会で威力を発揮していた高度なスクイズ戦術で着実に点を重ねるスタイルも実行できており、戦術の幅が広がった。1番・齋藤 誠賢外野手(3年)、打撃の幅が広い木津 寿哉内野手(2年)、大型遊撃手・下川邊 隼人内野手(3年)、成田と能力が高い野手を軸にチャンスを畳み掛けていきたい。

 星稜マーガード 真偉輝 キアン投手(3年)が2試合続けて先発で好投。爪が割れた影響で完投していないのだが、他の投手陣も試合を崩さずに好投を見せてきた。やはりゲームメイクするのは先発・マーガードが基本となりそう。ただ、完投は難しいコンディションなので、天理戦で好投を見せた武内涼太投手(2年)が先発。まずは武内がしっかりとゲームメイクすることが重要になる。

 打線は2回戦で2ランを放った4番・若狭 遼之助外野手(3年)、4安打の1番・永井 士航外野手(3年)など野手陣が天理との激戦を演じてから成長を見せている。これまで打ってきた投手陣も好投手が多いので、國學院久我山投手陣もきっかけ次第では打ち込む実力は十分に持っている。

 國學院久我山が相手の持ち味を消す走塁、多彩な戦術で主導権を握るか。それとも星稜が能力の高さを発揮し、序盤から試合の主導権を握る形になるのか。初回からの攻防に注目だ。


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市立和歌山vs大阪桐蔭の見どころ

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海老根優大、米田天翼

 第94回選抜高等学校野球大会大会10日目。準々決勝第4試合は近畿勢2試合目の市立和歌山(和歌山)vs大阪桐蔭(大阪)。

 市立和歌山(和歌山)vs大阪桐蔭(大阪)

 好投手・米田天翼投手(3年)を擁し、堅守、巧打を誇る市立和歌山が投打ともに戦力が揃う大阪桐蔭にどう立ち向かうのかという試合内容になるかと思われるが、やはり中3日で試合を迎える大阪桐蔭のほうが体調面では圧倒的に優位というのは間違いない。今大会前、大阪桐蔭は準々決勝に勝ち進んだ時に、日程面では一番不利なチームと呼ばれていた。ただ、2回戦では不戦勝という形になり、良い形で臨むことができる。

 逆に23日の花巻東戦で153球、27日の明秀日立戦で141球と合計294球投げている市立和歌山の米田はこの試合、201球しか投げられない。そこまで投げるということはないが、やはり初戦に比べてストレートの勢いが落ちているので、連投となれば、さらに勢いが落ちることは確か。大型右腕・淵本 彬仁投手の登板は十分に考えられる。まずは堅い守備で投手陣を盛り立てていきたい。

 巧打の二塁手・堀畑 樹内野手(3年)、打撃好調の4番・寺田 椋太郎外野手(3年)などミート力が高い選手が多いのが特徴だ。

 まず市立和歌山は接戦に持ち込むこと。リードされる展開にされても3点以内だろう。大阪桐蔭は日程的に有利に思えても、まだ打線は本調子ではないところにチャンスがある。

 大阪桐蔭は、打線の雰囲気が不可欠。うまくつながって、レギュラー選手の持ち味を発揮できるか。

(文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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