広島商vs丹生
トーナメント表
・浦和学院、敦賀気比などが属するブロック
・大阪桐蔭、花巻東などが属するブロック
・ベスト8以上の組み合わせ
22得点の広島商 コンパクトに繋いで20年ぶりのセンバツ白星!
保川七星(広島商)
<第94回選抜高校野球大会:広島商22-7丹生>◇23日◇1回戦◇甲子園
「抽選が決まって、井上君という好投手がいると聞いていたので、やってきたことを選手が序盤に上手く出してくれた。練習もなく、開会式もなかったので、まずは甲子園に慣れるところでじっくりいかせました」
試合後、広島商の荒谷 忠勝監督は、安堵の表情を浮かべた。大会第5日目の第3試合は、広島商が、21世紀枠で出場した丹生(福井)を22対7で破り、春は20年ぶりの勝利となった。
初回に3点を先制し、2回に逆転を許すも焦ることはなかった。直後の裏の攻撃で3本の適時打で再逆転し、その後は3回以外は毎回得点の猛攻で計22点。チームの16安打のうち15本は単打と、決して長打を打てる選手が揃っているわけではないが、コンパクトに繋いで畳みかけた。
「秋も野手がしっかりと繋いで、選ぶところは選んで、とやってきました。今日も甲子園という素晴らしい舞台でやってくれました」(荒谷監督)
大差をつけて勝利した広島商だが、その一方で投手陣には課題を残した。保川 七星(3年)、伊藤 祐輔(3年)、浴口 光介(3年)、佐藤 大介(2年)と4人の投手を繋いだが、結果として7失点。次戦は鳴門(徳島)と大阪桐蔭の勝者と対戦するが、荒谷監督は「選手たちはやってきたことを、試合でもやってくれたが7失点が課題。鳴門、大阪桐蔭はトップレベルのチームなのでしっかりと準備をしたい」と気持ちを引き締めた。
一方の丹生は、試合展開はワンサイドゲームとなったが、チームに悲壮感はない。
春木 竜一監督は「この子たちが雰囲気や空気を感じたことは、丹生高校にとって財産になった。楽しそうにイキイキとやってくれ、最終回に出場した3年生も持ち味を出してくれて感動した」と語り、また来田 竹竜主将(3年)も「楽しい貴重な時間だった。笑顔でやることと、緊張せずにリラックスすることを心掛けた。個人としてもエラーもなく、バッティングでも出塁できたので良かったと思います」と胸を張った。
(記事:栗崎 祐太朗)