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川内・中迫監督が退任 29年間の監督生活、元巨人・木佐貫らをプロに輩出

2022.04.02

川内・中迫監督が退任 29年間の監督生活、元巨人・木佐貫らをプロに輩出 | 高校野球ドットコム
中迫監督

 川内の中迫俊明監督はこの春で高校野球監督引退を表明。4月1日の準々決勝・鹿児島玉龍戦が監督として29年間のラストゲームになった。

 62歳の中迫監督は定年後も再任用で2年間川内を率いていたが「体力的にきつくなってきた」ことや「若い人に道を譲りたい」とこの春での引退を決めていた。対戦相手の鹿児島玉龍は自身の母校。延長12回まで競り合っての惜敗に「引退よりも負けて悔しい気持ちが強い。母校の校歌を聞くのが複雑な心境でした」と苦笑した。

 選手たちへの最後のミーティングの第一声は「一番悔しい負け方だったな」。力の差を見せつけられての大敗ならあきらめもつく。力に差がなく、ここぞという勝負をものにできなかったことが「夏への課題」と厳しい現実を指摘しつつ「夏が楽しみ。お前たちの監督で終われて良かった」と選手に感謝した。

 下門遥斗主将(3年)は「これまで監督から言われたことを胸に、夏は甲子園に行きます」と誓った。

 高校野球監督を夢見て体育教員になったが、当時の鹿児島は国体後で高校体育の採用がない時代。7年間は中学教員をしながら夢を温めた。錦江湾から監督をスタートし、2006年夏には鹿児島工を率いて甲子園出場を果たし、ベスト4に進出。木佐貫洋投手(元巨人)、宇都格投手(元近鉄)、榎下陽大(元日本ハム)、3人のプロ野球選手を輩出した。

 「ユニホームを着てグラウンドに行くのが何より楽しい時間だった」と監督生活を振り返る。「きついことはたくさんあったけれど、学校に行きたくないと思ったことは1度もなかった」と言い切る。野球を愛し、野球を通じて育つ若者を誰よりも愛した名将がユニホームを脱ぐ。

 引退後は枕崎の会社に再就職し、球場管理の業務などをこなしながら、小中学生への野球普及活動などに取り組む。「監督」は引退したが「野球」への情熱はまだまだ続く。

(取材=政 純一郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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1 Comment

  1. ゆかり

    2023-10-24 at 6:33 PM

    中迫監督
    長い間お疲れ様でした。そして感動をありがとうございました。
    おじちゃんと父を甲子園に連れて行ってくれてありがとうございました。おじちゃんも父も晩年幸せに旅立ったと思います。
    これからは、勝ち負け関係なく野球⚾️を楽しんで下さい。
    心はひとつ‼︎

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