試合レポート

日大二vs都立雪谷

2022.09.11

日大二が都立雪谷を7回コールドで破る!140キロ右腕を攻略

日大二vs都立雪谷 | 高校野球ドットコム
日大二・黒須晴斗

 <秋季東京都高校野球大会1次予選:日大二8-1都立雪谷(7回コールド)>◇10日◇1回戦◇日大二立川グラウンド

 西東京の強豪・日大二が、東東京屈指の都立高・都立雪谷をコールドで下した。最速140キロ右腕・御園拓摩投手(2年)を攻略したことは、修徳との代表決定戦に向けて1つの自信になっただろう。

 旧チームの投手陣は3年生が軸となっていたこともあり、「投手力には課題があるので、打たないと勝てない」と打線がカギを握るチームカラーを目指すしかなかった。なかでも中軸は旧チームの経験者が並んでおり、ポイントとなっている。

 その中軸が5回の集中打を演出したことで、都立雪谷を下すことに繋がった。
0対1で迎えた5回、都立雪谷バッテリーのミスで1対1に追いつくと、2死二塁から3番・黒須晴斗外野手(2年)が「チームが乗っていたので、絶対にランナーをかえそう」と奮い立たせてスイングした打球が相手のエラーを誘い、勝ち越しに成功。これで主導権を握り、5回は一挙4得点を記録して、続く6回にも4点を加えて、試合を決めた。

 理想の選手は西武・森友哉捕手(大阪桐蔭出身)だという黒須は、余計な力が入っていない。自然体な形で左打席に立ち、シンプルかつシャープなスイングで快音を響かせる。無駄のないフォームからも、対応力の高さが伺える選手で、旧チームから試合に出ていたのもうなずけた。

 常にセンターを意識して開かないことをポイントにして、ティー打撃から工夫をしていることが大きいという。

「いろんな角度から高さを変えてティーを上げてもらって打ったり、軸足をバランスボールに乗せて打ったりすることで、突っ込むことなく近いポイントでも捉えることができています」

 この日の試合でも、都立雪谷・御園の直球が「角度があり、スピードも出ていた」というが、変化球については引き付けられた分、見極めができた。低めの球には手を出さずにカウントを有利にして勝負できたことも大きかった。

 日大二は新型コロナウイルスの影響もあり、夏休み期間中に満足できる練習量、実戦経験を確保できていない。指揮官・田中監督も「実戦経験が少ない」とこれまでのチームと比較しても、ゲーム感覚が劣っていることを課題に挙げる。だからこそ、この公式戦での勝利は、大きな意味を持っているといっていい。修徳にも勝利し、都大会へ勝ち進めるか。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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