試合レポート

足立学園vs都立富士森

2023.03.11

昨夏4強の都立富士森、山田の4安打完封で初戦突破

足立学園vs都立富士森 | 高校野球ドットコム
富士森・山田佳

<春季東京都1次予選:都立富士森6-0足立学園>◇11日◇桜美林グラウンド

 昨夏は西東京大会で準決勝に進出した都立富士森と伝統校の足立学園の一戦は、6対0と点差が開いたが、中盤までは息詰まる熱戦になった。

 都立富士森の先発、新2年生の山田 佳は、制球が良く、テンポのいい投球。野手も好守で応え、相手に得点を許さない。昨夏の4強のメンバーはほとんど残っていないが、廣瀬 勇司監督は、「自信にはなりました」と語るように、選手の動きもきびきびしていて、自信を感じさせる。

 一方、足立学園の先発、木下 惟徳も新2年生ながら、打順も1番と攻守にチームの中心になっている。1回裏に都立富士森の3番・千葉 駿之介に二塁打を打たれたものの、ここを無失点で切り抜けると、快投が始まる。4回裏に2死から都立富士森の4番・阿部 晴希に中前安打を打たれ、5番・岩沢 颯太の左飛を足立学園の左翼手・清水 遥生が落球して都立富士森が1点を先制した。それでも木下は5回まで都立富士森から奪三振8を記録するなど、都立富士森打線を抑え込んでいた。

 6回裏も簡単に2死となったが、都立富士森の4番・阿部の遊ゴロを、遊撃手の山本 陽樹が一塁に悪送球。足立学園の山本は攻守に活躍し、ファインプレーもみせたが、「ふっと抜けてしまうところがあります」と足立学園の塚本達也監督は言う。この一瞬のスキが大きな傷口となる。

 都立富士森は安打が2本続き満塁となり、7番打者ながら昨夏を経験している野本 彪吾が走者一掃の二塁打を放ち勝負を決定づける。続く山田も二塁打で1点、さらに続く塚田 陽人も中前安打を放ち、この回2死から5点を追加した。あと1点でコールドという展開になったが、足立学園の木下が踏ん張り、コールドは免れる。

 その一方で都立富士森の山田は、後半になっても球威が衰えず、6対0。4安打完封勝利を飾った。山田は冬の間しっかり走り込み、「後半になってもスピードが落ちなくなりました」と言う。山田は、秋は1次予選で日大三に敗れている。そして夏のメンバーは準決勝で日大三に大敗している。この春は、本大会に進み1回勝てば、日大三と対戦することになる。「三高にはリベンジしたいです」と山田は言う。それにはまず一戦一戦、しっかり勝っていく必要がある。

 敗れた足立学園は、守備の乱れが失点につながっただけに塚本監督は、「差は痛感しています」と語る。それでもエースの木下は新2年生。運動能力も高く、今後が楽しみだ。

(取材=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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