試合レポート

日大豊山vs日大二

2023.04.03

日大豊山 6回の集中打で逆転!水泳との二刀流・光永 公式戦初安打初打点

日大豊山vs日大二 | 高校野球ドットコム
日大豊山5番・光永翔音

 日大の系列校同士の対戦。このチームになって、2回練習試合をしているが、2回とも引き分けだったという。

 1回日大豊山は、一死一、三塁から一塁走者の二盗に対する送球間に三塁走者が生還し、無安打で1点を先制する。

 その裏日大二は安打2本と四球で無死満塁とし、4番・崎山航輝が二塁打を放ち日大二が2点を先制。さらに5番・佐藤慎平の中前安打で2点を追加。日大二が試合を優勢に進めるかと思えた。

 しかし日大豊山が地道に追撃する。2回表日大豊山は二塁手と右翼手の間に落ちる安打で出塁した6番・金子太星を9番・辻奏太の二塁打で還し、2点差。3回表には、敵失で出た走者を5番・光永翔音が左前安打で還した。

 光永は昨年の高校総体で競泳男子100メートル・バタフライなどで優勝した実績を持つ、水泳との二刀流の選手。昨年の高校総体後、野球に本格的に取り組み、この安打は高校の公式戦で初安打であり、初打点になる。

 その後試合が動いたのは6回表日大豊山の攻撃だった。安打2本と死球で無死満塁とし、1番・谷川翔太郎の二塁打で2人が還り、逆転した。さらに3番・谷口光陽の三塁打で2点を追加。4番・上野竜仙の左犠飛で1点を追加。6回だけで5点を入れ、試合を優位に進めた。

 日大二はその裏1点を返したものの、7回表に日大豊山は1点を追加。9-5と日大豊山がリードする。

 日大二海野祐希室井大輝池尾弘太郎という3人の3年生をつなぎ、日大豊山井上雅也真鍋陽太という2人の3年生をつないだ。

 6回から登板して失点1だった真鍋は、9回裏に安打1本と四球で二死満塁のピンチを招く。日大二も簡単に負けるわけにはいかない意地を感じる攻撃であったが、6番・海野が二ゴロに倒れ試合終了。日大豊山は逃げ切った。

 日大二はこの春から斉藤寛文が新監督に就任した。日大二は3年後に学校創立100年を迎える伝統校。伝統を受け継ぎつつ、いかに新たな空気を入れていくか。若い監督の今後の活躍を期待したい。

 一方日大豊山の福島直也監督は、相手の日大二を「強いですね」と語った。水泳との二刀流で話題の光永についても、「やっと慣れてきましたね」と語る。

 光永は公式戦初安打となった打撃は力が抜けて、いい振りをしていたが、他の打席ではやや力みも目立った。高校総体など、数々の大舞台を経験している光永だが、「野球はチームプレーなので、インターハイとは違った緊張感がありました」と光永は言う。それでも「野球は楽しい」という。光永が本当の力を発揮するのは、まだまだこれからかもしれない。その活躍は、チームに勢いをもたらすことになるはずだ。

(取材=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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