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令和の怪物はホンモノか?佐々木朗希のピッチングを振り返る

2023.05.30

令和の怪物はホンモノか?佐々木朗希のピッチングを振り返る | 高校野球ドットコム
高校時代の森友哉

 ロッテ・佐々木 朗希投手(大船渡高出身)は交流戦前の時点で4勝、59奪三振、防御率1.18を記録。昨シーズンと同様に素晴らしいスタートを切った。

 4月28日のオリックス戦では165キロを記録した。今シーズンは4年目ということもあり、初のタイトル獲得が期待される。

 佐々木朗の好調の要因は、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でパドレス・ダルビッシュ 有投手(東北高出身)から学んだスライダーを活用していることが大きいだろう。

 そのため、今後はこのスライダーを完全に操れることになれば、「鬼に金棒」の状態になることは間違いない。

 4月14日のオリックス戦では、山本 由伸投手(都城高出身)と投げ合った。今年のWBCで世界一に導いた先発ローテーションの一角を担った佐々木朗と山本の投げ合いは、金曜日のナイターゲームに相応しい好カードになった。

 佐々木朗は、早速初回に成長した姿を見せる。打ち気に入った森 友哉捕手(大阪桐蔭出身)に対し、初球はフォークから入り、あとは直球で押していき、三振に打ち取る。2回に関しては先頭打者の杉本 裕太郎外野手(徳島商出身)に対し、初球と2球はスライダーで入り、フォークで三振に抑えた。この日の佐々木朗は、160キロを超える直球とフォークはもちろんのこと、WBCの代表招集でダルビッシュから学んだスライダーもさえ渡った。昨シーズンよりもさらにレベルアップした姿を見せた。

 その後、援護をもらった後の佐々木朗は、課題も出てきた。杉本に対して8球投げたが、この8球はもう少しスムーズに組み立てることができただろう。続く宗 佑磨内野手(横浜隼人出身)に関しても6球投げたが、直球を5球投げている。スライダーがよかったのを踏まえると、織り交ぜてもよかったのではないだろうか。中川 圭太内野手(PL学園出身)に対しては、スライダー2球とフォーク1球で抑えた。援護をもらった後だったため、大事に行きすぎたこともあったが、この回でスムーズにいければ、もう少し長いイニングを投げられただろう。

 その後の6回は疲れが見え始めたこともあり、1死二、三塁のピンチを背負う。このピンチの中で、茶野 篤政外野手(岐阜中京出身)を三振に打ち取り、マーウィン・ゴンザレスは右飛に抑えた。7回は、先頭の森を四球で歩かせるが、杉本をフォークで併殺打に打ち取る。宗もフォークで遊ゴロに打ち取り、マウンドを降りた。7回を投げて、105球、1安打、2四死球、11奪三振、無失点と完璧なピッチングを見せた。

 全体的に見ると、バランスよく配球が組み立てられたイニングは、スムーズに終えることができた。その他の試合を見ても、直球に偏ったり、スライダーを生かしきれなかったのが原因で、球数が増えたことを見ると、松川 虎生捕手(市立和歌山出身)とのバッテリーとして見たかった部分もある。よりスムーズに抑えることができれば、長いイニングをコンスタントに投げられるだろう。

 現在奪三振率に関しては、脅威の13.97を記録。昨シーズンも春先は、驚異的な成績を残していたことから、WBCの疲労の影響も含めて、夏からパフォーマンスを下げずに投げられるかが課題である。

 プロ入り後、大事に育てられている反面、若いうちにメジャーリーグに挑戦してほしいと思っている。そのため、今シーズンから2、3年の間に、シーズン通して投げられれば、是非ともメジャーリーグに挑戦してほしい。

 ポテンシャルをみても、NPBだけではなくメジャーリーグでもトップクラスになれる。そのため、体力さえついていければ、山本由伸の成績又は、それ以上も期待できる。そして、ゆくゆくは歴代最高の投手になれると思っている。NPBのキャリアにおいて、吉井理人監督と二人三脚で、歴代最強と言われるほどの投手に成長することを期待していきたい。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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