明徳義塾、高知大会準決勝で高知中央に敗れ、第100回大会以来、5年ぶりに夏甲子園逃す
8回裏無死からリリーフ登板し明徳義塾打線をタイブレークでの1点に抑えた高知中央・髙橋秀斗(3年)
〈第105回全国高校野球選手権高知大会:高知中央2ー1明徳義塾(延長11回タイブレーク)〉♢23日♢準決勝♢県営春野
侍ジャパンU‐18代表監督も兼任する名将・馬淵 史郎監督が率いる明徳義塾。2002年夏甲子園、2014年長崎国体、1981・2017年明治神宮大会と4度の全国制覇を誇り、近年でも昨年まで3大会連続(*2020年の独自大会は高知が優勝)で夏の甲子園出場。春の四国大会も優勝を飾り、今大会も第1シード・大本命だった名門が、準決勝で高知中央の前に延長11回タイブレークで敗れた。
これにより明徳義塾は2018年の第100回大会決勝で高知商に敗れて以来、5年ぶりに夏の甲子園出場を逃した。なお、明徳義塾の同大会準決勝敗退は、2008年の第90回大会準決勝で高知商に3対4で敗れて以来、15年ぶりとなる。
この日の明徳義塾は今夏初戦で中村の前に9回2死2ストライクまで追い込まれた時と同様に打線が振るわず。高知中央の先発左腕・藤田 一秀投手(3年)の前に1回、6回を除き再三塁上を賑わせるも得点を逸すると、8回無死から藤田をリリーフした右サイド・高橋 秀斗投手(3年)からも1点が奪えず。
それでも9回までに7安打を浴びながら10奪三振の快投を演じたエース・小林 和生投手(3年)の踏ん張りで延長タイブレークに持ち込んだ明徳義塾であったが、延長11回表1死満塁から小林が押し出し四球を与えると、2死満塁から5番・奥田 誠絆内野手(3年)にも痛恨の中前適時打を浴び0対2。
その裏、明徳義塾も1死二、三塁から代打・福田 大貴外野手(3年)の左犠飛で意地の1点。さらに2死一、三塁まで攻め立てたものの、最後まであと1本が出なかった。
試合後、電話取材に応じた馬淵監督は「小林はよく投げたが打てなかった。藤田くんが投げている間に点を取らなくてはいけなかった」とコメント。逆に大会初の決勝戦進出を果たした高知中央・太田 弘昭監督は「みんなでよく粘ってくれたし、2点目が大きかった」と苦手意識のあった明徳義塾相手の快挙を振り返りつつ「周りは優勝したような騒ぎになっているが、問題は次の試合。気を引き締めて闘いたい」と悲願の甲子園初出場へ前を向いた。
なお、この明徳義塾の敗退により、四国地区の昨夏甲子園出場校で勝ち残っているのは徳島大会準決勝まで駒を進めている鳴門のみに。混戦の度を深める四国から甲子園への道はいよいよクライマックスを迎えようとしている。
取材=寺下友徳