試合レポート

【東東京】準決勝 東亜学園 vs 城西大城西

2023.07.29


東亜学園が城西大城西のエース・馬場を打ち崩し34年ぶりの甲子園まであと1勝!

<第105回全国高校野球選手権東東京大会:東亜学園10ー4城西大城西>◇28日◇準決勝◇神宮

城西大城西は44年、東亜学園は34年、甲子園から遠ざかっている。再び甲子園への思いは両校ともに強い。また城西大城西の安保隆示監督は浦和学院の出身で、同校のコーチや部長を歴任した。この日浦和学院が甲子園出場を決めたので、自分たちもという思いはあった。

試合は城西大城西が左の溝口 博斗投手(3年)、東亜学園は大沢 健翔投手(3年)が先発した。両チームとも継投を念頭に入れての投手起用であった。

1回、東亜学園は1死満塁のチャンスをつかむが、5番・松本 秀太内野手(2年)が投ゴロ。1-2-3の併殺になった。2回もやはり1死満塁のチャンスをつかむが、やはりあと1本が出ず得点できない。こうなると流れは城西大城西の方に行く。

4回、城西大城西は4四死球による押し出しで先取点を挙げる。東亜学園がチャンスを生かせない中で、城西大城西は無安打で先取点。試合は城西大城西のペースになりかけた。しかし東亜学園は失点の直後の5回に反撃する。2死後、四球と敵失で一、二塁のチャンスをつかむと、4番・倉持 大希外野手(3年)の左前適時打で同点に追いつく。ここで城西大城西は投手を溝口からエースの馬場 力也投手(3年)に交代する。東亜学園は1打席目の満塁の状況で併殺打を打った5番の松本秀太。東亜学園の武田朝彦武監督は、「代打を出そうかとも思いましたが、倉持が打ってくれたので、そのまま松本に託しました」と語る。

松本は馬場の初球をたたく。「セカンドの頭の上をめがけて打ちました」と松本が語る打球は右中間を破り三塁打となり2人が生還。一気に勝ち越した。馬場の投球について、「思っていた以上に球が来ていませんでした」と安保監督は語る、城西大城西の準決勝進出の立役者である馬場だが、疲れからか本来の投球ができない。

6回に東亜学園は1点を挙げると、7回は安打3本を集め3点を挙げる。守っては5回途中から投手を大沢から深野 汰生投手(2年)に交代する。城西大城西は7回、2四死球と4番・清藤 大生内野手(3年)の左前安打で1死満塁のチャンスをつかむ。ここで5番・半田 虎之介外野手(3年)の遊ゴロで1点。続く6番・梶 幸太郎外野手(3年)の二塁打で2人が還る。城西大城西はこの回3点を挙げたが、7対4とまだ東亜学園がリードしていた。

東亜学園は8回にも6番・荒居 涼祐外野手(3年)の二塁打などで3点を挙げる。結局10対4で東亜学園が勝ち、7年ぶりの決勝進出を決めた。

城西大城西としては、ここまで機能してきた溝口、馬場の投手リレーが通用しなかった。「東亜学園打線のみえないプレッシャーがあり、ピッチャーが焦ってしまいました。勝たせてあげられませんでした」と安保監督は言う。2人の投手リレーで38年ぶりに準決勝進出を果たし存在感をみせたが、聖地には一歩届かなかった。

東亜学園は序盤のチャンスを潰しての勝利だけに、武田監督は「よく勝てましたね」と言う。7年前の決勝戦では関東一に逆転サヨナラ負けした。その年が東亜学園野球部の躍進の基礎を築いた上田滋前監督の監督としての最後の年で、武田監督も部長としてベンチにいただけに、特別な思いがある。東亜学園が勝てば東東京と西東京の両方で甲子園に出たことになる。早稲田実業のように、校舎移転によるケースはあるが、東西の区割り変更によるものとしては、初のケースになる。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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