試合レポート

鳥羽vs綾部

2023.07.09


2回裏に満塁本塁打を放った大堂優人(鳥羽)

鳥羽は17得点で初戦突破!福井、大堂の3,4番コンビが大暴れ

<第105回全国高校野球選手権京都大会:鳥羽17ー1綾部(5回コールド)>◇9日◇1回戦◇わかさスタジアム京都

 8年ぶりの甲子園出場を目指す鳥羽が5回コールド勝ちで初戦を突破した。

 鳥羽は1回、失策と犠打で1死二塁とし、松下浩司監督が「ポイントゲッター」と話す3番・福井 仁外野手(3年)、4番・大堂 優人外野手(3年)にチャンスで回すことができた。高校通算22本塁打で、今秋にプロ志望届提出予定の福井が中前安打で一、三塁とチャンスを広げると、続く大堂も右前適時打を放ち、相手の失策も絡んで2点を先制する。

 「早く点数が取れたので、その後に繋がったと思います」と松下監督。その後も打線が繋がり、初回から5点を奪うことに成功した。

 試合の主導権をつかんだ鳥羽は、2回にも無死一塁から福井が三塁線を破る適時二塁打で追加点を加えると、続く大堂も中前適時打を放ち、勢いを加速させた。

 さらに鳥羽の猛攻は止まらず、11対0とすると、2死満塁からこの回2度目の打席に入った大堂が「真っ直ぐを狙ってしっかり振り抜くことができました」と左中間に高校通算21本目となる満塁本塁打を放ち、リードを15点に広げた。

 3回までに17失点を喫し、打線も4回まで無安打と苦しい試合を強いられた綾部は、3回から登板した主将の鈴木 良宗(3年)が4回を無失点に抑えて、5回に最後の望みをかける。

 鳥羽は先発の背番号18・谷脇 蔵太投手(2年)が丁寧な投球で4回まで無安打投球を続けていたが、次戦に向けて他の投手を経験させたいという松下監督の意向もあり、5回からは背番号1の左腕・大西 航平投手(2年)に継投。その大西に対して先頭の4番・鈴木がチーム初安打となる三塁強襲の内野安打で出塁すると、5番・橋本 翔仁(2年)も右前安打を放ち、一、三塁のチャンスを作る。

 すると、1死後から7番・竹中 響弥(2年)の中犠飛で1点を返す。後続が続かず、5回コールドゲームに終わったが、最後に意地を見せることはできた。

 勝った鳥羽は2回戦でシード校の西城陽と対戦する。「今日のようにいち早く得点を取って、ピッチャーを楽にさせるという戦いを確立したいと思っています。今日が良い起爆剤になって、良い準備ができればと思っています」と松下監督は次戦に向けての展望を語ってくれた。

 16安打17得点と打線が爆発した鳥羽。特に福井が2打数2安打1打点3得点、大堂が4打数4安打1本塁打3打点とポイントゲッターがこれ以上ない働きを見せたことが、打線を機能させる大きな要因となった。

 昨夏の京都大会では京都外大西の西村 瑠伊斗内野手(現ヤクルト)が大会タイ記録の4本塁打を放って評価を大きく上げた。「自分も長打力はあると思うので、バッティングでアピールしていきたいです」と高卒プロ入りを目指す福井もその再来を目論んでいる。左の強打者では京都翔英の小笠原 蒼内野手(3年)や立命館宇治の北川 陸翔外野手(3年)が注目されているが、福井もそこに割って入る存在となりそうだ。

取材=馬場 遼

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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