試合レポート

東亜学園vs文教大付

2023.07.11


東亜学園打線が、6回以降に一気に爆発して文教大付にコールド勝ち

<第105回全国高校野球選手権東東京大会:東亜学園8ー1文教大付(7回コールド)>◇11日◇2回戦◇駒澤

 かつて、学校のある中野区が西東京に割り当てられていた時代に、1989年など3度甲子園出場を果たしている東亜学園。87年夏には甲子園でもベスト4に進出を果たしている実績がある。また、東東京となってからも2016年(第98回大会)夏には準優勝を果たしており、久し振りの甲子園出場に手がかかったこともある。今春は、3回戦で桜美林に敗れた。

 文教大付は3年生4人、2年生7人、1年生2人という総勢13人の布陣で挑む。戦力的に不利なのは否めないが、果たして強豪・東亜学園に、どのような戦いができるのかというところである。

 先制したのは文教大付だった。初回は東亜学園の横手投げの左腕・長瀬 立嗣投手(3年)に3者連続三振を奪われていたが、2回は1死から5番・塚本 孝太郎投手(3年)が右越え二塁打を放つ。続く、入山も左翼へエンタイトル二塁打を放って二塁走者をかえした。

 しかし、その裏、東亜学園もすぐに反撃して4番・荒居 涼佑内野手(3年)が左前打すると、内野ゴロで進み、2死二塁から7番・米谷 櫂内野手(2年)の左翼線二塁打で同点とした。

 それでも、文教大付土屋 藍生投手(3年)は崩れることなく強いスイングの東亜学園打線にひるむことなく向かって行って、3回からは0に抑えて、対等の戦いを続けていって、後半に突入した。

 東亜学園としてもこのままズルズルと行ってしまってはいけないというところだったが、6回、四球を機に盗塁とバントでチャンスを広げ、一ゴロ野選で追加点を挙げた。これで勢いづいた東亜学園は、5番・松本 秀太内野手(2年)以下、斎藤 颯真投手(3年)、米谷の3連打に犠飛でこの回3点を勝ち越した。

 そして、6回からリリーフしていた深野 汰生投手(2年)が7回は3人でピシャリと抑えると、一番からの東亜学園は先頭の笹本 琢真外野手(3年)が右翼線三塁打。さらに毛利 光希外野手(3年)、倉持 大希外野手(3年)と連打して1点を追加して一、二塁。さらに荒居のバントも安打となり、無死満塁。ここで5番・松本が、「しっかりと低い打球を打つことを意識した」という打球が、ライナーで左中間を破る三塁打となって走者一掃。7点差でコールドゲームが成立した。

 文教大付としては、前半は踏ん張ったものの、力尽きる形での大量失点となってしまった。それでも、前半の戦いぶりは強豪校に対して十分に抵抗を示したと言っていいであろう。

 前半やや苦しんだ東亜学園の武田朝彦監督は、「もともと、打撃はそんなに打てるチームではありませんから、一回り、二回りまでは苦しめられました。それでも、4回にちょっと気持ちを入れ直させて、それが導火線になって、後半になってやっと爆発したという感じでした。学校もまだ試験中でもあり、ベストの状態ではないのは仕方ないですが、これから少しでも長くやれるように頑張っていきます」と、引き締めていた。実績のある学校の復活を期待するファンも多く、それに応えていきたいところであろう。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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