試合レポート

【甲子園】2回戦 文星芸大附 vs 宮崎学園

2023.08.11


ミラクル劇は必然的だった、文星芸大附が終盤の大逆転で初戦突破

<第105回全国高校野球選手権記念大会:文星芸大附9ー7宮崎学園>◇11日◇2回戦◇甲子園

文星芸大附(栃木)が終盤の逆転劇で、宮崎学園(宮崎)を破った。4点ビハインドをひっくり返しての16年ぶりの夏甲子園初戦突破。栃木大会決勝から続く「ミラクル劇」をまたも演じて見せた。

6回が終わって3対7。4回に2点を先制しながら逆転を許して終盤に差し掛かっていたが、文星芸大附ナインはあきらめていなかった。7回に1死からの四球を足がかりに3連打で2点を奪って反撃ののろしを上げる。

2点ビハインドで迎えた8回には安打と失策で得た無死一、三塁で、7回からリリーフ登板していた工藤 逞投手(3年)が右前安打を放つ。ここで相手右翼手がその打球を後逸。打球が右翼フェンス際まで転々とする間に、走者2人はもちろん、打者走者の工藤までもが本塁へかえってきた。奇跡のような逆転劇。栃木大会決勝では作新学院に最終回に追いつかれながらもサヨナラ本塁打で優勝したあの劇的勝利を再現したような大騒ぎ。ベンチもスタンドも歓喜した。

しかし、突然振って沸いたような幸運が舞い降りたわけではない。6回以降、投手陣が宮崎学園に追加点を許さず粘り強く投げ続けた。7回の3連打は中軸の怒涛の攻撃で、チーム全体に「諦めない」姿勢を見せたことが、チーム全体に波及したと考える。「奇跡」は起こるべくして起こったのだ。

打撃も当てにいくようなスイングではなく、ゲームが進むにつれて、ナイン全員が高校生活に悔いが残らないようにとフルスイングしていた。その結果が、逆転劇を呼んだのだと思う。

宮崎学園の先発、2年生左腕の河野 伸一朗投手は164球完投負けに終わった。9点(自責6)は失ったが、189センチ長身の長いリーチを生かした速球と変化球で、最後まで自分を見失うことなく相手に立ち向かっていた。まだ体の線は細く、これから体が大きくなる要素はある。秋からの新チームで、心も体もたくましくなり、甲子園に再び戻ってきてもらいたい。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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1 Comment

  1. ガッツだ文星

    2023-08-13 at 3:17 PM

    私は宇都宮学園の卒業生です。
    現在校名が変わり時代の変わり行く変化に心熱くします。文星芸大附属野球部の皆さん甲子園一勝一勝部員全員で勝ち取って下さい。

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