なぜ23年夏の甲子園のトレンドワードが「脱丸刈り」「丸刈り」になったのか
この夏の甲子園(第105回全国高校野球選手権記念大会)は「脱丸刈り」「丸刈り」がトレンドワードとなっている。ここまでこのワードが続くのも珍しい。なぜこのワードが続いたのか、考えていきたい。
確かに、この夏の甲子園は「脱丸刈り」を進めている学校の上位進出が目立つ。ただ地方大会からずっと観戦しているファンや、取材をしている記者からは「脱丸刈りを進めている学校は多くあるのに、ここまで盛り上がっているのは違和感」という声もあった。
開幕したばかりの甲子園のトレンドワードは「クーリングタイム」だった。今大会初めて適用したクーリングタイムだったが、直後に足をつる選手が多く出たことが影響している。
しばらくはこのワードが続いたが、流れが変わったのは慶應義塾(神奈川)の登場だろう。慶應義塾は、昔から「脱丸刈り」を実践してきた象徴的な存在。森林監督の考えを載せた記事も大反響だった。そして慶應義塾の選手たちがスマートに、力強くプレーしていることも、ファンの心を捉えた。
これにより、多くの野球ファン、一般人にも影響を与えたことで、流れが変わってきた。
この流れに、多くのメディアが乗り、「丸刈り」か「脱丸刈り」についての記事が掲載され、さらにトピックされ、ネット内で毎日叫ばれる大会になったのだ。
また今大会はそれに変わるインパクトのある学校や、スター選手の、ド派手な活躍がなかったのも影響している。大会ではどの学校も素晴らしい野球を見せているし、選手たちも素晴らしいプレーを見せているが、一般人からすれば、「脱丸刈り」から話題を変えさせるほどのインパクトはなかった。
多くの野球ファン、一般人まで巻き込んだ「脱丸刈り」「丸刈り」論争。23年夏の甲子園のキーワードとなった。
この大会を制するのはどのチームになるのか。