Column

やはり大阪桐蔭の新チームの選手個人の能力は全国トップレベル!全国制覇へ向けての課題は?

2023.08.29


平嶋桂知、サード・ラマル

高校野球の勢力図を語る上で欠かせない大阪桐蔭(大阪)。毎年、入学者のポテンシャルの高さは全国でもトップクラスで、今秋からの新チームも楽しみな選手が多い。

投手陣は、140キロ超えの投手を多く揃える。平嶋 桂知投手(2年)は春以降から大きく伸びて、大事な試合でも任せられるようになるまでに成長した。平嶋は「春に打たれた経験も大きくて、なるべく笑顔で投げることを意識しています」と苦い経験を味わったことで、実戦に強い選手へ成長した。この世代の大阪桐蔭の中では、最も高卒プロ入りが期待できる逸材で、世代を代表する右腕と呼ばれる存在になることを期待したい。

大型左腕の安福 拓海投手(2年)は、変則的なフォームから130キロ後半の速球と切れのあるスライダーで勝負する。春の近畿大会で打ち込まれ、あと1歩で夏のベンチ入りを逃してしまったが、秋では強みを発揮するのではないか。

南 陽人投手(2年)は復調すれば、エースになってもおかしくないほどの伸びのある速球を投げ込む。野球センスも高く、投打ともに活躍が期待される。

1年生にも優秀な投手が多い。森 陽樹投手(1年)は中学軟式時代から評判の速球派右腕で、すでに145キロ前後を計測する。2年後のドラフト1位候補になっておかしくないポテンシャルを持っている。まだ投げるイニングは短いが、最終学年で圧倒できるタイプになってほしい。

中野 大虎投手(1年)は6月ではA戦にも登板。145キロ前後の速球は伸びがあり、森よりも、実戦的で結果を出しやすいタイプだ。

野手では、4番のラマル ギービン ラタナヤケ内野手(2年)に期待。パワーは世代トップクラスで、これからコンタクト率、守備力を高めてほしい。大舞台で結果を残せば、多くのファンに愛されるようなスター性があり、圧倒的な活躍が期待される。

そのほか、1年秋から主力で活躍する巧打の外野手・徳丸 快晴外野手(2年)をはじめ、二刀流として能力が高く、夏では投手として活躍が光った境 亮陽投手(2年)や、抜群の脚力を誇る吉田 翔輝外野手(2年)、夏でもベンチ入りし、栄徳(愛知)との招待試合では、遊撃手でスタメン出場した賀川 陽日内野手(2年)も活躍が期待される。

同じく栄徳戦でベンチ入りした岡江 伸英内野手(2年)もパワーがあり、体格もがっしりしている。中学(東海中央ボーイズ)、高校での先輩である宮下 隼輔内野手(東邦ガス)のような強打者になれるか。また、潜在能力の高さを評価されている山路 朝大内野手(2年)も新チームからの活躍に期待だ。

個人の能力は高く、全国トップレベルの大型チームだといえる。ただ、それだけで勝てるほど、現代の高校野球は甘くない。簡単に失点しない守備や、相手の心理を読んで打撃や守備に臨むなどの面も重要といえる。新チームには能力の高い選手を支えるメンター的な役割を持った選手の存在も重要になるだろう。大阪桐蔭は例年、プレッシャーがかかっても、1年かけて勝てるチームの土台づくりを構築し、結果を残してきた。そういった面にも注目したい。

新チームではどんな布陣、どんな野球で臨むのか。毎年、全国制覇を狙い続ける大阪桐蔭の秋からの歩みに注目だ。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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