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楽天の18年ドラフトから、1位外野手と2位捕手が大きく飛躍

2023.09.29


大学時代の辰己涼介

9月1日に高校生及び大学生のプロ志望届の公示が始まった。ドラフト会議へ向けてこれから報道が加熱していくことだろう。

野球界では、「ドラフトの成否は5年、10年経たないと分からない」とよく言われる。今シーズンが5年目のシーズンとなる2018年ドラフト指名選手たちは、どのような状況なのだろうか。球団別で振り返ってみたい。

楽天は2018年ドラフト会議において最初、藤原 恭大外野手(大阪桐蔭出身=現・ロッテ)に入札するも抽選で外れた。次に入札した辰己 涼介外野手(出身)も4球団競合となったが、今度はあたりくじを引き交渉権を獲得した。

その辰己はルーキーイヤーから124試合に出場。規定打席には到達しなかったものの即戦力に違わぬ活躍を見せた。

3年目の2021年に初めて規定打席に到達するとゴールデングラブ賞を受賞し完全なレギュラーとなった。昨シーズンは2年連続となる規定打席に到達しキャリアハイとなる打率.271を記録した。また外野手としてゴールデングラブ賞も2年連続で受賞している。大卒のドラフト1位として着実にステップアップしていると言ってよさそうだ。

ドラフト2位の太田 光捕手(広陵出身)は併用されながら毎年50試合に出場している。昨シーズンまでは打率.220を超えたことがなく打撃面が大きな課題だった。しかし今シーズンはここまで96試合の出場で打率.252(163打数41安打)と打率は過去最高となっている。来シーズンは文句なしの正捕手を目指すシーズンとなりそうだ。

ドラフト下位指名からも野手の戦力は誕生している。6位指名の渡辺 佳明内野手(横浜出身)と7位指名の小郷 裕哉外野手(関西出身)だ。とくに小郷は、昨シーズンまでは2年目の58試合(129打席)がキャリアハイだったが、今シーズンは112試合に出場。410打席に立っており規定打席に到達する可能性も残している。そのなかで打率.258(360打数93安打)、9本塁打と好成績を残し、外野のレギュラーをしっかりとつかんだ。渡辺も今シーズンこそ苦しんでいるが、昨シーズンまではユーティリティーとして、ベンチに欠かせない存在だった。

一方の投手ではドラフト8位の鈴木 翔天投手(向上出身)が中継ぎとしてブルペンを支えている。1年目は1軍での登板がなく、3年目まではわずか7試合の登板にとどまっていたが、昨シーズン38試合に登板すると今シーズンはここまで57試合の登板。1勝1敗1セーブ、22ホールド、防御率2.83と完全に1軍に定着した。

ドラフト4位の弓削 隼人投手(佐野日大出身)は1年目、2年目と先発で2年連続3勝をマークしたが、それ以降は目立った成績を残すことはできていない。今シーズンも中継ぎとして12試合に登板したが9.2回を投げ防御率5.59と苦しんでいる。

<2018年ドラフト>

1位:辰己 涼介(ー立命館大)
2位:太田 光広陵ー大阪商業大)
3位:引地 秀一郎倉敷商)※現在は育成契約
4位:弓削 隼人佐野日大ーSUBARU)
5位:佐藤 智輝山形中央)※現在は育成契約
6位:渡辺 佳明横浜ー明治大)
7位:小郷 裕哉関西ー立正大)
8位:鈴木 翔天向上ー富士大)
育1位:清宮 虎多朗八千代松陰
育2位:則本 佳樹(山岸ロジスターズ)※すでに退団

※数字は2023年9月27日終了時点

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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1 Comment

  1. 匿名

    2023-09-29 at 7:47 PM

    この年は太田君が1位で良いと思っていた。最高のドラフトでした。

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