イヤホンで耳に負担をかけていませんか
イヤホンやヘッドホンは大きな音量や長時間の使用を避けるようにしよう
スマートフォン（スマホ）による体への負担は目や脳だけではありません。イヤホンやヘッドホンを装着しての使用では耳に大きな負担がかかることもあります。普段からイヤホンやヘッドホンを使用している人の中には、「ヘッドホン難聴」と呼ばれる症状になる人が増えています。
耳には外耳、中耳、内耳と呼ばれる３つの部分があり、内耳には聴覚を司っている蝸牛（かぎゅう）という部位があります。耳が大きな音に長時間さらされていると、この蝸牛の感覚細胞が傷つき、騒音性難聴へと進行してしまいます。ヘッドホン難聴はこの騒音性難聴の一つです。このような使い方をしていないか、一度確認してみましょう。
1）音漏れするほどの音量で聴く
100デシベルの音（列車が通過するときの高架下の音に相当）を15分以上聴くと難聴になりやすいといわれています。静かなところではここまで音量を上げることはないと思いますが、交通量の多い道路沿いや、通学時の電車の中など周囲が騒がしい状況で音楽を聴こうとすると、知らず知らずのうちに大音量になっているかもしれません。
2）長時間にわたって聴く
適切な音量で聴いていても、長時間にわたっての動画視聴など聴覚を刺激し続けると、耳にはかなりのダメージが残ります。1時間以内を目安にときどき耳を休ませるようにしましょう。
3）周波数が高い音を聴く
周波数の高い音ほど、耳に与えるダメージが大きくなります。スピーカーから音楽を聴くときは、高い音の周波数は空気中を伝播する間に弱まりますが、イヤホンやヘッドホンではあまり弱まることなく耳に伝わるので注意が必要です。
こうしたヘッドホン難聴を避けるためには「ヘッドホンを装着していても人の声が聞こえる程度の適切な音量で」「疲れているときは、とくに音量に注意して」「ヘッドホンで音楽を聴いたら、聴いた時間の3倍は耳を休ませる」ことを心がけましょう。重症化すると失われた聴力を回復することはむずかしいと言われています。適切な使用を心がけ、耳への違和感を感じたら早めに医療機関を受診するようにしましょう。
文：西村 典子
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