試合レポート

【仙台六大学】東北福祉大vs東北工業大

2023.09.09


東北福祉大開幕3連勝 長距離砲・竹中研人が「チーム最優先」の打撃で3安打

<仙台六大学野球秋季リーグ:東北福祉大4-0東北工業大>◇9日◇1回戦◇東北福祉大

東北福祉大が東北工業大との接戦を制し、開幕からの連勝を3に伸ばした。0対0で迎えた8回、大内 海斗内野手(3年=高川学園)の適時打で試合の均衡を破ると、この回3得点。9回にも1点を加えた。投手陣は4投手のリレーで東北工業大打線を完封した。

重苦しいムードが漂う8回、先頭の9番・山路 将太郎外野手(3年=鶴岡東)がこの日チームで初めて四球を選び出塁。犠打で1死二塁とし、2番・大内の適時打で先制した。東北工業大はここで継投に入るも、3番・竹中 研人内野手(4年=駒大苫小牧)と代打・高岡 新時内野手(1年=龍谷大平安)が適時打を放ち2点を追加。大きな3点が入った。

竹中は適時打を含む3安打2打点の活躍。リーグ戦通算7本塁打を誇る左の長距離砲だが、第2打席では無死二塁の場面で絶妙なバント安打を決め、適時打を放った打席でも「引っ張って(走者を)次の塁に進めよう」とチームバッティングに徹した。

今春は11試合中8試合で4番を任されながら、打率2割、0本塁打と低空飛行。優勝のかかる仙台大2、3回戦ではスタメンを外れた。秋はここまで全試合で3番スタメン。「4番にこだわりはある」と言いつつ、「これだけの大人数の中で出させてもらっている立場なので、自分の役割を果たすだけ。チームが勝つことを最優先にしている」と口にする。大学最後の秋、全打席、チームのためにバットを振る。

東北工業大は先発したエース・後藤 佑輔投手(3年=仙台育英)が7回まで無失点に抑える好投。打線は東北福祉大のプロ注目右腕・後藤 凌寿投手(4年=四日市商)から2度、満塁の好機をつくるも、本塁が遠かった。

そんな中、7回に代打で登場した鎌田 健太郎内野手(3年=仙台)がリーグ戦初打席で初安打を記録。2020年、仙台高が夏の宮城大会(独自大会)で準優勝した代のエース左腕で、大学でも3年春まで投手をしていたが、出場機会を求め今年7月から野手に転向した。

オープン戦の期間中は「打席で考えすぎてしまって」結果を残せなかった。この日も0対0の7回、先頭打者という緊張の打席だったものの、目黒裕二監督の「打てなくてもいいから、3回バットを振って帰ってこい」との言葉で気持ちが楽になり、2球目を左前に運んだ。今秋は野手に専念するが、投手への未練がないわけではない。「気持ち的には、来年は(野手と投手の)どちらもやって、どちらも良い成績を残したい」。投打でもう一花咲かせるか、鎌田の今後に注目だ。

(取材=川浪康太郎)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.25

昨夏甲子園16強・北海の卒業生進路紹介!元巨人外野手の息子らが中央大、147キロ右腕は社会人へ

2024.06.25

【南北海道】函館支部では第3シードの函館西と函館大有斗が初戦に挑む【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【南北海道】室蘭支部では、第2シード苫小牧工が代表決定戦進出を狙う【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【南北海道】小樽支部予選が26日に開幕!8年連続代表校の北照が登場【2024夏の甲子園】

2024.06.25

【滋賀】組み合わせ決まる!近江がいきなり彦根東と対戦<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.21

【長野】22日に抽選会!上田西と東京都市大塩尻の「2強」に長野日大が続く、松商学園はノーシードからの「逆襲」へ<夏の甲子園県大会組み合わせ>

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】