試合レポート

【静岡】1回戦 東海大静岡翔洋 vs 伊豆伊東

2023.09.10


この夏の準優勝校・東海大静岡翔洋が力の差を示し、新校の伊豆伊東を圧倒

<第76回秋季東海地区高校野球静岡大会:東海大静岡翔洋14-1伊豆伊東(7回コールド)>◇9日◇1回戦◇県営愛鷹

この夏、2年ぶりに静岡大会決勝進出を果たした東海大静岡翔洋。結果的には浜松開誠館に敗れて甲子園出場はならなかったものの、森下倫明監督が就任して2年目。一つの結果を出したことで、チームとしての方向性も見えてきたと言っていいであろうか。ただ、この秋の新チームは、メンバーもほとんど入れ替わったことで苦しんだ。

ブロック予選の初戦は静岡北を下したものの、代表決定戦では島田商に競り負けては敗者復活戦へ回った。そこで、強豪私学の静清を2対0と下しての県大会進出である。

伊豆伊東はこの4月に、伊東高校と城ケ崎分校、さらには伊東商の3校が合併して誕生した新校である。伊豆伊東として出場した春、夏の大会はいずれも初戦敗退だったが、マネージャーを含めて12人で挑んだ秋季大会は東部地区予選で三島北を下して初勝利。日大三島には大敗したものの、敗者復活戦で田方農を下して進出してきた。爽やかなスカイブルーを基調としたユニホームも印象的だったが、強豪に何とか食い下がっていきたいところであろう。

先制点は伊豆伊東が挙げた。2回、5番・大武が中前打すると、バントと暴投で三塁まで進み、スクイズで生還した。

しかし3回、東海大静岡翔洋はたちまちビッグイニングを作ってひっくり返した。9番に入っている小松原投手自らが中前打すると、そこから3連続四死球で押し出しとなり同点。さらに、失策が相次いで伊豆伊東は失点を重ねる。打者一巡してしまって先発古川投手が死球押し出しで5点目を与えたところで、中山裕介監督は右翼から背番号1の小山投手をマウンドに送る。しかし、代わり端に死球で、またも押し出しでこの回6点とビッグイニングになってしまった。

さらに4回にも失策と死球に7番・細谷の二塁打などで3点。5回からは3人目として一塁手の小川投手が投げたが、安打と盗塁悪送球に暴投もあってさらに1点。試合としてはワンサイド気味になってしまった。それでも、伊豆伊東も何とか併殺で5回コールドは阻止する9点差。6回はしっかりと0に抑えたが、東海大静岡翔洋は7回には連続四球と連打に牛口の左越え二塁打など無死で4点を追加した。

結果的に、力の差は否めなかった。

東海大静岡翔洋は、小松原投手が4回を投げると、あとは3投手が1イニングずつをそれぞれ走者は出したものの0に抑えて、その役割を果たしていった。

森下監督は、「前のチームで経験している選手がほとんどいない中、新チームからの期間も短くて、難しかったですね。今度のチームは、そんなに打てるワケではないので、足を使ったり、いろいろ仕掛けていこうというところもあります。だけど、残塁も多かったですね」と、反省点も挙げていた。

また、千葉県での東海大浦安時代と比較して、静岡県での野球に関しては、「感じとしては千葉県と似てオーソドックスな形かなあとも思ったんですけれども、丁度このところ日大三島浜松開誠館などのちょっと違ったスタイルのチームが台頭してきました(苦笑)」と、見ていた。そうした中で、東海大静岡翔洋がどういう形を示していくのかというところも興味深い。

取材=手束 仁

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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