運動後のリカバリーに役立つ栄養
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緑黄色野菜や果物などは抗酸化ビタミンを多く含むので積極的にとりたい
より良いコンディションを維持するためには、野球の練習・トレーニングにくわえて適切な栄養、休養が必要です。特に練習後は体が疲労しているため、そこから回復を図るリカバリーの段階では適切な栄養が大きな役割を果たすと言えるでしょう。運動後に「何をとると良いのか」について、それぞれの栄養素が持つ役割を中心にまとめておきます。
《筋グリコーゲン回復を高める炭水化物》
筋グリコーゲンとは筋肉に蓄えられる糖の一つであり、筋肉を収縮させるために必要なエネルギー源として働きます。運動後は体内のエネルギーが枯渇した状態であるため、エネルギー不足を補うために食事などで炭水化物を中心にとるようにしましょう。このときできれば運動前後に補食などを活用しながらこまめにとるようにすると、すみやかなエネルギー補給につながります。十分な炭水化物がとれない状況においては、炭水化物と一緒にタンパク質をとることでも筋グリコーゲンの回復につながることが知られています。
《発汗によって失われた水分を補給する》
運動後に限らず、運動前、運動中から心がけたいものが水分補給です。発汗によって体内の水分やミネラル分が失われるため、これを補うためにこまめに水分・ミネラル分補給を行うことが熱中症や運動中のパフォーマンス低下を抑え、より良いコンディションの維持につながります。
《筋線維の損傷をカバーするタンパク質》
運動やトレーニング後は筋線維がダメージを受けている状態になります。筋線維の修復には筋肉のもととなるタンパク質が欠かせません。筋肉を構成するタンパク質は一日の間に合成と分解を繰り返し、ウエイトトレーニング後には筋タンパクの合成と分解の両方が高まりますが、このタイミングで必要なタンパク質を補給することができると、筋タンパクの合成を促し、分解を抑えることができると言われています。
《活性酸素を抑える抗酸化ビタミン》
日常生活を送る上で必ず体内に発生する活性酸素ですが、激しい運動などによって過剰に増えると細胞を酸化させダメージを与えることが知られています。抗酸化ビタミン(ビタミンA、ビタミンE、ビタミンC等)を含むものは活性酸素を抑え、体内で起こる炎症反応や免疫機能の低下を防ぐことが期待されます。
文:西村 典子
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