【茨城】準々決勝 霞ヶ浦 vs 鹿島学園
鹿島学園が攻守に充実ぶりを示し、霞ヶ浦に快勝してベスト4
<第76回秋季関東地区高校野球茨城県大会:鹿島学園4-1霞ヶ浦>◇27日◇準々決勝◇J:com土浦スタジアム
この夏は決勝戦で土浦日大に敗れて準優勝となった霞ヶ浦。この秋も県大会初戦で強豪・明秀日立との対戦となり、強豪対決とも言われたが、その試合をコールドで制している。「このチームは、軸になる投手がもう一つ出てきれていない」と、高橋祐二監督は言うものの、強さを示しての準々決勝進出となった。
鹿島学園は、夏のベスト8だが、そのメンバーから主力はそのまま残ったという形になり、新チームとしては戦力はある程度充実していると言われていた。3回戦では伝統校の水戸商を下して進出してきている。そういう点からも、準々決勝注目の試合と言ってもいい好カードとなった。
霞ヶ浦の市村投手は初回、3者連続三振に切って取るという素晴らしい立ち上がりだった。また、鹿島学園の左腕・中根投手も上手に打たせながら3人で処理していった。これは、いい投手戦になっていくのではないかと思わせる試合のスタートだった。
先制したのは鹿島学園。3回、鹿島学園は1死から9番・青木が内野安打で出塁すると、四球と諸徳寺の内野安打で1死満塁となる。ここで3番・井上がインコースの直球を狙いすましたかのようにたたいて中前打。2人がかえった。さらに、市村投手もやや力んだか、指に引っ掛かりすぎた球が暴投となって3点目が入った。
試合の流れから見ても、大きな3点となった。
これで勢いづいた鹿島学園は4回にも、7番・小泉が左前打してバントなどで下位から好機を作って、2死二塁となったところで、1番・原が右前打して大きな意味のある4点目が入った。
このリードで、鹿島学園の中根は、力を抜いた感じで柔らかいフォームからしなやかに投げ込んでいく投球が冴えてきた。球そのものも、表示されている球速以上に伸びているようないい感じで、青木捕手のミットに投げ込まれていた。181センチ、83キロというバランスのとれた恵まれた身体でもある。毎日、相撲の股割りのようなトレーニングをして、より身体に柔軟性を持たせる努力もしているという。素材的にも、まだまだ伸びていきそうな、そんな雰囲気を十分に感じさせてくれた。
8回に失策からピンチを招いて暴投もあって、四條に中前打されて1点を失ったものの、9回を通じてほとんど危なげはなかった。そんな内容だった。
鈴木博識監督も、「出来すぎというくらいの内容でした。結局は3回の連打だけみたいなところになりましたけれども、いいところでそれぞれが打ってくれました。ウチは、左打者が多いので、相手は左投手を立ててくると思っているので、練習試合なんかでは左投手を使ってくださいということも言います。こうして、左投手に対して自信ができてきましたから、逆に左投手が先発してくれると『よし!』という感じになります」というように、霞ヶ浦の左腕・市村投手に対して3回に見事な集中打を見せた。
霞ヶ浦としては、7回まではほとんどいいところがなく、三塁へ進められたのも2回のみという状況だった。8回に、失策絡みで何とか1点を返したものの、ほとんど焼け石に水という状況だった。最後まで、鹿島学園の中根投手を攻略しきれなかった。高橋監督も、「完敗でしたね。出直しです」と、脱帽していた。