試合レポート

【埼玉】2回戦 聖望学園 vs 川越東

2023.09.27


聖望学園が新人戦に続き川越東に連勝!3回戦進出!

<秋季高校野球埼玉大会:聖望学園7ー4川越東>◇25日◇2回戦◇上尾市民

上尾市民球場の第1試合は今夏ベスト4の川越東と、旧チームのメンバーが多く残る聖望学園との一戦。この両者は新人戦でもぶつかった。その時は川越東が8回に6対4と逆転も、その裏にエースに代打を出した関係で継投に入った川越東投手陣に対し、聖望学園打線が襲いかかり一挙9点を奪いコールド勝ちをしたが今回はどうか。

先発は新人戦同様に川越東・宮城 勇輔投手(2年)、聖望学園・向深澤 要投手(2年)。両エース左腕が登板し試合が始まる。

ともに1度球筋を見ているだけに、再戦は打線が優位になりがちだ。案の定、試合は初回から激しく動く。

まずは川越東が先制攻撃を仕掛ける。

1回、立ち上がり直球の走らない聖望学園・向深澤を攻め立て、先頭の河井 大悟(2年)が四球を選び出塁すると、1死後、3番・篠原 隆寛(2年)が右越えの適時三塁打を放ち、まず1点。続く上野 航平(2年)も左前適時打を放ち、あっという間に2点を先制する。さらに5番・森田 一輝(2年)の三ゴロが相手のエラーを誘い1死一、二塁とチャンスは続くも、6番・齋藤 優太(1年)が併殺に倒れた。

するとその裏、聖望学園もすぐに反撃を開始する。

川越東・宮城の立ち上がりを攻め立て、1死から2番・小泉 三四朗(2年)が中前安打を放ち出塁すると、続く齋藤 千風(2年)も右前安打を放ち1死一、二塁とする。2死後、5番・向深澤が右前適時打を放つと、相手の中継が乱れる間に、一走・中村 アラシュ(2年)も一気に本塁を奪い、すぐに2対2の同点とする。

ここから2回以降、川越東・宮城、聖望学園・向深澤の両投手が、どう修正するかがこの試合の明暗を分けた。

初回はセット、2回からはノーワインドにするなど、2回以降も手探りの聖望学園・向深澤。

それに対し川越東は2回にも、この回先頭の笹尾 拓海(2年)が左越えの二塁打を放ち出塁すると、2死三塁から1番・河井も四球を選び、すぐさま二盗を決め、2死二、三塁とするが後続が倒れ無得点に終わる。

一方の川越東・宮城も立ち直る気配が見られない。

聖望学園は3回、1死から2番・小泉が左越えの二塁打を放ち出塁すると、続く齋藤も四球を選び1死一、二塁とする。さらに4番・中村のところで暴投により1死二、三塁とチャンスが広がると、中村もきっちりと犠飛を放ちまず1点、続く向深澤も右前適時打を放ち4対2と逆転に成功する。

聖望学園・向深澤は3回以降変化球の割合を増やしていく。これが奏功し、徐々に相手打線の沈静化に成功する。

それでも川越東は4回、1死から笹尾が四球を選び出塁すると、すぐにディレードスチールを決める。2死後、9番・宮城が左前適時打を放ち1点差とする。

1点差とされた、聖望学園は4回にも、この回先頭の丹野 大揶(2年)が左中間へ三塁打を放ち出塁すると、1死後、9番・山本 修平(2年)が左前適時打を放ち、まず1点。2死後、2番・小泉が右中間へタイムリー三塁打を放ち6対3とする。

聖望学園は5回にも、この回先頭の向深澤が左中間へ三塁打を放ち出塁すると、1死後、7番・丹野の三ゴロを三塁手が弾き貴重な1点をもぎ取り7対3とする。

それでも、川越東は6回、この回先頭の上野が左前安打を放ち出塁すると、1死後、代打・小島 湊(2年)が左中間へタイムリー二塁打を放ち7対4とするが反撃もここまで。

その後は、3回以降、変化球中心に組み立てを変えた向深澤が連打を許さない投球で完投する。

対する川越東・宮城も、6回以降はインコースを突き相手打線を封じるが、時既に遅し。

結局、聖望学園川越東を7対4で下し3回戦進出を決めた。

川越東は新人戦に続き聖望学園に連敗を喫した。今大会好調の打線は好投手・向深澤からも9安打を放ち長打も3本出た。だが、この日は頼みの宮城が誤算か。6回以降はインコースを使い無安打に抑えているだけに、相手の狙い球に対しバッテリーにもう少し早い察知能力があれば展開も変わったかもしれない。

「宮城はこの日基本になる球種探しが前半続いて、後半やっと見つかったら試合が終わってしまった。打線も打ててはいるが併殺や牽制死など回の終わり方が良くなかった。(中盤以降の相手投手の変化球中心の組み立てについて)相手にリードを許したことで外野を深く下げて向深澤君を楽にさせてしまったかなと。本来、変化球中心は勇気がいるはず。地区予選前後でインフルエンザにより部員25人が不在だった影響もありました。うちは予定していたエースも4番もいない状態。もちろん宮城が今後も中心投手の1人であることに変わりはないが、春以降改めて投手を中心とした守りの部分を作り直します」と、野中監督はチームの現状を語りつつ、攻守に細かいミスが出たことを反省し春以降の巻き返しを誓った。

一方の聖望学園も、この日はエース向深澤が苦心の投球。それでも、この日早朝5:30から打撃練習をして試合に臨んだ打線が宮城を攻略しエースを助けた。

「宮城君は新人戦で対戦して球筋や球種は既にわかった状態だったので、それを想定してバッテングした成果が出た。ある程度、相手の配球を察知した打撃は選手達の判断です。初回相手の綻びに対する走塁など、これまで取り組んできたことも出た。向深澤はどうしても1回勝った相手なので負けられないという気負いと、朝早かったことは彼に負担をかけたかなと。ただ彼はマウンド捌きの上手い子で中盤以降は相手の狙い球を察知して変化球中心でよく投げてくれた」と、浮中監督は選手達の判断力を評価。10安打中8安打が左打者と、左打者が選手達の判断で狙い球をきっちりと捉える姿は見事であった。次の相手も好左腕・冨士を擁する大宮東である。タイプは違うが同じ左腕、打線は好調なだけに面白い対決となりそうだ。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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