試合レポート

【埼玉】3回戦 山村学園 vs 早大本庄

2023.09.29


Bシード・山村学園が早大本庄を下しベスト8進出!

<秋季埼玉県高校野球大会:山村学園10ー3早大本庄>◇27日◇3回戦◇上尾市民

上尾市民球場の第1試合は好左腕・西川 歩投手(2年)擁するBシード・山村学園と、スタメンに1年生が6人と若いチーム早大本庄との一戦。

先発は山村学園がその西川、早大本庄が1年生右腕の田中 柊成投手と両エースが登板し試合が始まる。

先制したのは山村学園であった。

山村学園は2回、この回先頭の田中 大貴外野手(2年)が左前安打を放ち出塁すると、続く藤原 将輝捕手(2年)がきっちりと送り1死二塁とする。さらにここで6番・門田 琥白外野手(1年)が三塁線を破る安打を放ちチャンスを広げると、すぐさま二盗を決め一死二、三塁とする。続く宮本 恵介外野手(1年)の内野ゴロの間に1点を先制する。

山村学園は3回にも、2死から鈴木 大和内野手(2年)が三塁強襲の二塁打を放つと、続く横田 蒼和内野手(1年)も死球で出塁し2死一、二塁とする。ここで4番・田中が左前適時打を放ち2対0とする。

これで流れをつかんだ山村学園は5回にも、1死から鈴木大が左翼席へソロ本塁打を放ちまず1点、さらに2死後、4番・田中が右越えの二塁打を放つと、続く藤原も中前適時打を放ち4点差をつける。

投げては山村学園のエース西川が早大本庄打線を4回までノーヒットピッチングと寄せ付けない。

それでも早大本庄は5回1死から、7番・岡安 優弥内野手(1年)がチーム初安打となる左前安打を放つと、続く奥山 綸太捕手(1年)がきっちりと送り2死二塁とする。さらに代打・工藤 大輝(1年)が左前安打を放ち2死一、三塁とチャンスを広げると、早大本庄ベンチは一走・工藤に代走を送る。代走・新井 奏(2年)は二盗を決め2死二、三塁とすると、1番・佐藤 翔太内野手(1年)が左翼へ2点適時二塁打を放つなど、2点差とし反撃を開始する。

早大本庄は6回にも、この回先頭の吉田 壮内野手(2年)が左翼フェンス直撃の三塁打を放ち出塁すると、続く小室 聡汰内野手(2年)の内野ゴロの間に1点差とする。

ここまで山村学園が12安打に対し早大本庄は4安打だが、得点は4対3。早大本庄は裏攻め。山村学園にとって嫌な流れの中、迎えた7回、6回からマウンドに上がった早大本庄の2番手・右サイドの知野 一郎太投手(2年)に対し、先頭の青木 孔志内野手(2年)が左翼線への二塁打を放ち出塁するが、続く鈴木大の送りバントで二走・青木は三塁封殺されてしまう。それでも鈴木大が二盗を決めるなど2死三塁から4番・田中が中前適時打を放ち5対3とする。

この1点が大きかった。

再度流れをつかんだ山村学園は8回、この回から登板した早大本庄の3番手・マッカーシー 太陽投手(2年)の代わり端、1死から6番・門田が右前安打で出塁すると、すぐさま二盗を決める。さらに7番・宮本、8番・西川が連続四球を選び1死満塁とすると、2死後1番・青木の内野ゴロが相手タイムリーエラーを誘い7対3とする。

山村学園はこれで楽になったか、最終回にもこの回先頭・横田の右中間へ三塁打を足がかりとし、続く田中の右越えの適時三塁打と5番・藤原の打球を右翼手が見失う間にランニングホームランとなるなど、この回も3点を追加する。

投げてはエース西川が8回3失点の好投を見せると、最終回もリリーフした青木が無失点で凌ぐ。

結局、Bシード・山村学園が10対3で早大本庄を下しベスト8へ駒を進めた。

早大本庄は敗れたものの、中盤まではあわやの展開は作った。「西川君は良い投手であることに間違いない。直球を狙わせて序盤はフライが上がってしまっていたんですが、中盤はよく修正してくれた。課題は練習試合などでもそうだが終盤。とにかく終盤をどう締めくくるか」(福永監督)。中盤1点差まで迫るもその後突き放された。

先発・田中が前の試合1失点完投から中1日ということもあり、5回で降板したことも大きかった。とはいえ彼はまだ1年生であり無理はさせられない。元々ライオンズジュニアユースのエースであり大事に育てるべきである。野手も1年生を中心に悪くない。それだけに2番手以降の投手の整備が来春以降の至上命題となりそうだ。

一方の山村学園は、エース西川は8回3失点とこの日は及第点か。早大本庄のエース田中など相手投手陣から6回までに10安打4点も、相手に4安打で3点を返される嫌な展開になった。

「西川でも緊張するんだなあと。相手のピッチャーに対しては低めだけ気をつければ。若いチームなので前半我慢してやっていたら大丈夫だからと伝えていた。7回の1点が大きかった。打線は今後も上位が打ってくれれば。できれば下位がチャンスを作ってくれれば。青木は夏以降伸びてくれた」(岡野監督)。それでも7回に1点をもぎ取り流れを引き戻し、毎回の16安打を放つなど打線が好調を維持している。上位打線は本来投手の青木が1番を打ち旧チームの経験者が上位に並ぶ。この日も5打数5安打3打点と大活躍だった4番・田中を筆頭に計算できる。今後下位打線がチャンスを作ることができれば西川、中嶋 瑞樹投手(2年)、青木の投手陣は安定しているだけに上位進出は堅いであろう。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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