試合レポート

【埼玉】準々決勝 聖望学園 vs 花咲徳栄

2023.10.04


花咲徳栄・生田目奏タイムリー

<秋季高校野球埼玉大会:花咲徳栄12-5聖望学園(8回コールド)>◇29日◇準々決勝◇県営大宮

県営大宮球場の第2試合は優勝候補、Aシード・花咲徳栄と強打の聖望学園の一戦。

先発は聖望学園がエース左腕・向深澤 要投手(2年)、一方の花咲徳栄は背番号10の和久井 大地投手(2年)が登板し試合が始まる。

まずは初回、聖望学園が仕掛ける。

聖望学園は初回、花咲徳栄・和久井の立ち上がりを攻め、先頭の中條 和也内野手(2年)が左前安打を放ち出塁すると、2死後、中村 アラシュ外野手(2年)が中越えの適時二塁打を放ち1点を先制する。

だが、花咲徳栄は岩井監督が2回の攻撃前に選手を集め「向深澤君はどの球も制球が良いので打ち急がないで、緩いカーブを打ち上げても飛ばないので低い打球を意識しろ」と、指示を出すと、すぐに反撃を開始する。

花咲徳栄は2回、この回先頭の田島 蓮夢外野手(1年)が左前安打を放ち出塁すると、さらに一走・田島への一塁牽制がボークとなり無死二塁とする。続く更科 悠風内野手(2年)の犠打は相手の野選を誘い無死一、三塁とチャンスを広げると、7番・横山 翔也内野手(2年)の内野ゴロの間にまず1点。

さらに2死後、9番・田端 太貴捕手(2年)が死球で出塁し2死一、二塁とする。続く齋藤 聖斗内野手(2年)も四球を選び2死満塁とすると、2番・目黒 亜門外野手(2年)も押し出しの四球を選び2点目。ここで続く生田目 奏外野手(2年)が「緩急差があるので各自がどちらかに絞ることを意識した」と、左翼線へ2点適時二塁打を放つなど、花咲徳栄はこの回一挙4点を奪うビッグイニングを作り逆転に成功する。

花咲徳栄は3回にもこの回先頭の田島が左前安打を放ち出塁すると、続く更科がきっちりと送り1死二塁とする。2死後、8番・和久井が左前適時打を放ち5対1とする。

対する聖望学園も4回、この回先頭の向深澤が中前安打を放ち出塁すると、続く丹野 大椰内野手(2年)も右前安打を放ち無死一、二塁とする。7番・近藤 翼内野手(1年)がきっちりと送り1死二、三塁とすると、2死後、9番・山本 修平外野手(2年)が中越えの2点適時三塁打を放ち5対3とする。

2点差まで追い上げられた花咲徳栄も5回、1死から更科が四球を選び出塁すると、続く横山のところで花咲徳栄ベンチはエンドランを仕掛ける。横山は期待に応え左前安打を放ち1死一、三塁とすると、2死後、9番・田端が右越えの2点適時二塁打を放ち再度4点差とする。

花咲徳栄は、6回にも、この回先頭の目黒が右中間へ二塁打を放ち出塁すると、2死後、5番・田島が右前適時打を放ち8対3とする。

このままでは終われない聖望学園は8回、この回からマウンドに上がった花咲徳栄の2番手・左腕の額川 康一投手(2年)を攻め、1死から5番・向深澤、6番・丹野が連続四球で出塁すると、2死後、8番・小槻 修也捕手(2年)も死球で出塁し、2死満塁とする。

花咲徳栄ベンチはたまらず、3番手としてエース上原 堆我投手(2年)をマウンドに送るが、上原の代わり端を攻め、9番・山本が右前2点適時打を放ち3点差まで追い上げる。

だが、花咲徳栄はその裏、この回先頭の生田目がセーフティーバントを決め出塁すると、続く石塚 裕惺内野手(2年)も投手強襲安打を放ち無死一、二塁とする。さらに5番・田島のセーフティーバントが内野安打となり無死満塁とすると、続く更科の内野ゴロが相手エラーを誘い、まず1点、さらに7番・横山が走者一掃となる適時三塁打を放つなど、この回一挙4点を奪い12対5とする。

結局、花咲徳栄が8回コールド12対5で勝利し準決勝進出を決めた。

花咲徳栄の岩井監督は、「先発は間違えたかな。初回の1点が余計。あとランナー2人置いて9番に打たれた球も甘かった。(2番手の)岡山が持ち直してくれたので。中盤まで難しいかなと思っていたが思ったより早く捉えてくれた。聖望は駒が良い。しっかりしてるね。17安打はよく打ったが被安打11は打たれ過ぎ。球の勢いはあるが制球力ですね。課題はバッテリー」と振り返った。

「足が使える選手が多いので、打ち合いで打ち勝てたのは大きい」(生田目)と、この日は勢いに乗る聖望学園が相手ということもあり11安打を浴び執拗に粘られたが、17安打を放ちビッグイニングも作るなど突き放した形だ。だが、次の相手は山村学園西川 歩投手(2年)が相手だ。打線の真価が問われる相手であろう。

一方の聖望学園も、この日も良い試合の入り方を見せ、強力打線を武器に喰らいついていった。だが、1回戦からの最激戦区に入り4試合目ということもあり、最後は力尽きたか。

しかし浮中監督は「負けた気はしなかった。元々上原君を想定していて9回までいけたらと思っていたが、特に8回裏、練習してきた、投内連携などでミスが出たのが残念。とはいえ、夏初戦で負け、今大会も厳しい山で最後は疲労もありながらよく戦ってくれたのでは。春までに守備走塁を鍛えます」と振り返る通り、最激戦区ながら春のシードを取り、手応えをつかんだ今大会であろう。

今大会は、川越東大宮東冨士 大和投手(2年)、花咲徳栄などと対戦し、得たものは大きいはず。春以降も小泉 三四朗外野手(2年)、中村、向深澤、山本など、好プレーヤーをはじめ、注視していきたい。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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