”超制球力”で甲子園を沸かせたエースに戦力外、プロ通算防御率は7.23
中日の戦力外通告者の中に岡野 祐一郎投手(聖光学院)の名前があった。岡野といえば、2012年の聖光学院のエースとして覚えている高校野球ファンも多いだろう。当時から高校生としては並外れた制球力があり、130キロ中盤ながらも、アウトコースにズバリと決まる投球術は見応えがあった。
2012年のセンバツには横浜(神奈川)と対戦。現在は中日のエースである柳 裕也投手と投げあったが、柳には本塁打を打たれている。そして同年夏にも出場。日大三(西東京)相手に1失点完投勝利を挙げた。こうした活躍が認められ、高校日本代表にも選ばれた。
青山学院大、東芝を経て、19年ドラフトでは3位指名を受けた。高校時代から大きくレベルアップし、140キロ中盤の速球をコントロールよく投げ分ける投手へ成長。即戦力として
の期待がかけられた。
ただ、一軍では活躍できなかった。1年目は11試合登板で、防御率6.17、そこから4年連続で一軍で登板し、今季は自己最多の15試合登板。防御率5.71に終わった。ただ、22回を投げて19奪三振。そして岡野のバロメーターである「制球力」は光っており、与四球は2。K/BBは9.50だ。こういったポジティブな数字は20代前半の投手ならば良いが、岡野は全面的に納得できる数字を残さなければならない立場である。
今年29歳の右投手が一軍通算防御率7.23。即戦力投手としての期待に応えられなかった。構想外にした球団の選択も理解できる。
NPB他球団が岡野の良さを評価する球団が現れるのか。NPBにこだわらなければ、それ以外のカテゴリーでもプレーできる投手だといえる。どんな進路になるのか注目だ。