試合レポート

【京滋大学野球】佛教大vs花園大

2023.10.18


優勝を決めてマウンド上で歓喜の輪を作る佛教大の選手たち

京都先端科学大が逆転勝ち!4年生エースの庄田が7回1失点の粘投

<京滋大学野球連盟秋季リーグ戦:佛教大5-2花園大>◇17日◇第7節2回戦◇わかさスタジアム京都

優勝決定戦となった佛教大と花園大の2回戦。佛教大が花園大を下して3季ぶり60度目の優勝を果たした。

佛教大の先発は1年生の中西 孔太朗投手(乙訓)。「メチャクチャ緊張しました」と言いながらもカーブやチェンジアップを駆使する投球で試合を作る。5回には1死二、三塁から2番・植西 龍雅内野手(2年=京都国際)に2点中前適時打を打たれてしまったが、その後は危なげない投球で追加点を許さない。

先制を許した佛教大は5回裏、2死二塁から2番・木原 黎明内野手(3年=大垣日大)の右越え適時三塁打で1点差に迫ると、続く3番・七條 太一内野手(3年=文徳)の左前適時打で同点に追いついた。

5回を終えて2対2と優勝決定戦に相応しい好ゲーム。花園大はプロ志望届を提出している先発の右横手投げ・奥田 貫太投手(4年=八幡商)から、6回に最速152キロ右腕の藤原 聡大投手(2年=水口)に継投して必勝態勢に出た。

試合が動いたのは7回、先頭の1番・竹田 貴行外野手(4年=初芝橋本)が四球で出塁。続く木原のバントは藤原の正面に転がり、藤原は二塁に送球したが、俊足の竹田の方が早く二塁に到達し、野選で無死一、二塁とチャンスが広がった。

一打勝ち越しの場面で回ってきたのは、打率4割超えと好調の七條。「普通ならバントのサインが出るところを國友監督が『打て』のサインを出してくれた。腹をくくって投球に対して入れたのが良い結果に繋がったと思います」と2ボールからの直球を弾き返し、中前適時打で勝ち越し点を奪う。さらに無死二、三塁から4番・岡野 翔海外野手(3年=神戸国際大附)が中前2点適時打を放ち、大きな追加点を挙げた。

中西は9回1死まで投げ抜くと、桂田 拓都投手(4年=天理)、主将の山本 奨人投手(4年=智辯学園)と功労者の4年生にマウンドを繋ぐ。最後は2死一塁から山本が左飛に打ち取り、佛教大が勝利を収めた。

今春に、田原完行総監督から監督のバトンを引き継いだ國友健一監督にとっては、これが初優勝。「就任して1年経ってないですけど、ずっと見てきた選手。春に勝たせてあげられなかったのに対して、いろいろ思うところもありましたが、秋にこうやって勝てたのは、4年生中心に頑張ってもらったのが、すごく大きいなと思っています」と最上級生の頑張りを称えていた。

昨春までリーグ戦で7連覇。その間には全日本大学野球選手権で準優勝や4強入りを果たすなど全国でも通用する強豪校としての地位を確立していた。しかし、その結果「優勝できるだろう、というちょっとした慢心がチーム内にも僕自身にもあったところはある」(七條)と足元をすくわれる要因にもなっていた。

昨秋は京都先端科学大、今春は花園大に優勝を譲り、王者の座から陥落。今秋も前日の1回戦に敗れ、逆王手をかけられたが、土俵際で意地を見せて頂点を取り戻した。

この後は関西選手権を勝ち抜いて2年ぶりの明治神宮大会出場を目指す。「まずは関西でしっかり勝ち抜いて神宮に行きたいと思っています」と山本は次を見据えていた。

取材=馬場 遼

この記事の執筆者: 田中 裕毅

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