【九州】創部18年で初の甲子園へ!熊本国府 チャンスが苦手の5番が奮起「自分が決めるしかない」<秋季地区大会>
<秋季九州大会:熊本国府7-6大分舞鶴(延長10回)>◇31日◇準々決勝◇小郡球場
秋の熊本県大会を制した創部18年目の熊本国府が、延長10回の末に大分舞鶴に勝利。春夏通じて初となる甲子園に大きく前進した。
9回終わって5対5と互いに一歩も譲らぬ試合展開。延長タイブレークに突入すると、後攻の熊本国府は、2番手・ 植田 凰暉投手(2年)の好リリーフで何とか1点で凌ぐことに成功。サヨナラ勝ちへ直後の攻撃、4番・中嶋 真人内野手(2年)のファーストへの送りバントが野手選択ミスを誘い、無死満塁の大チャンス。ここで5番・岡本 悠生外野手(2年)が二遊間を破る見事なサヨナラ打を放ち、大分舞鶴との熱戦に終止符を打った。
「前の打席、勝ち越しの場面で凡退しましたし、緊張もしていましたが、『自分が決めるしかない』と思って打席に入りました」
強い覚悟をもって打席に立ってチームを勝利に導いた岡本は、新チーム発足時から、「投手の始動にあわせて、自分も動き出す」ようにして、タイミングをとることを意識していた。しかし今大会の初戦を終えて、「タイミングがあっていなかった」と克服できずに苦戦をしていた。復調のために、初戦が終わってから割れを作ることを意識して、準々決勝までにフォームを修正。迎えた準々決勝は「バットが振れていた」と調子の良さを感じていた。
だが、「元々、チャンスには弱い」という岡本。第1打席こそヒットを出せていたが、「タイミングが合っておらず、ストレートに差し込まれていた」と2打席目、4打席目は振り遅れて三振。特に4打席目はチャンスの場面で凡退して、悔しい結果に終わった。そして迎えた第5打席はサヨナラの場面。大一番に緊張していたが、チームメイトの梅田悠汰内野手(2年)に声かけられた「やれることをやろう」という一言で肩の荷が下りた。
「自分が決めるしかない」と覚悟を決め、2ボールから狙っていた真ん中のストレートを捉えて、センターまで運んだ。本来の持ち味である、ゴロやライナーといった低くく強い打球を放つバッティングで、ショートのグラブを弾き、チームを勝利に導いた。
今日の勝利で学校史上初となる甲子園に大きく前進した。「大きな意味のある勝利だった」と喜びを噛みしめていたが、「優勝して甲子園を確実に決めたい」と浮かれてはいない。快進撃が止まらない熊本国府。準決勝は強豪・神村学園が相手だが、勢いそのままに倒すことが出来るか。