試合レポート

【九州】創部18年で初の甲子園へ!熊本国府 チャンスが苦手の5番が奮起「自分が決めるしかない」<秋季地区大会>

2023.11.01


<秋季九州大会:熊本国府7-6大分舞鶴(延長10回)>◇31日◇準々決勝◇小郡球場
秋の熊本県大会を制した創部18年目の熊本国府が、延長10回の末に大分舞鶴に勝利。春夏通じて初となる甲子園に大きく前進した。

9回終わって5対5と互いに一歩も譲らぬ試合展開。延長タイブレークに突入すると、後攻の熊本国府は、2番手・ 植田 凰暉投手(2年)の好リリーフで何とか1点で凌ぐことに成功。サヨナラ勝ちへ直後の攻撃、4番・中嶋 真人内野手(2年)のファーストへの送りバントが野手選択ミスを誘い、無死満塁の大チャンス。ここで5番・岡本 悠生外野手(2年)が二遊間を破る見事なサヨナラ打を放ち、大分舞鶴との熱戦に終止符を打った。

「前の打席、勝ち越しの場面で凡退しましたし、緊張もしていましたが、『自分が決めるしかない』と思って打席に入りました」

強い覚悟をもって打席に立ってチームを勝利に導いた岡本は、新チーム発足時から、「投手の始動にあわせて、自分も動き出す」ようにして、タイミングをとることを意識していた。しかし今大会の初戦を終えて、「タイミングがあっていなかった」と克服できずに苦戦をしていた。復調のために、初戦が終わってから割れを作ることを意識して、準々決勝までにフォームを修正。迎えた準々決勝は「バットが振れていた」と調子の良さを感じていた。

だが、「元々、チャンスには弱い」という岡本。第1打席こそヒットを出せていたが、「タイミングが合っておらず、ストレートに差し込まれていた」と2打席目、4打席目は振り遅れて三振。特に4打席目はチャンスの場面で凡退して、悔しい結果に終わった。そして迎えた第5打席はサヨナラの場面。大一番に緊張していたが、チームメイトの梅田悠汰内野手(2年)に声かけられた「やれることをやろう」という一言で肩の荷が下りた。

「自分が決めるしかない」と覚悟を決め、2ボールから狙っていた真ん中のストレートを捉えて、センターまで運んだ。本来の持ち味である、ゴロやライナーといった低くく強い打球を放つバッティングで、ショートのグラブを弾き、チームを勝利に導いた。
今日の勝利で学校史上初となる甲子園に大きく前進した。「大きな意味のある勝利だった」と喜びを噛みしめていたが、「優勝して甲子園を確実に決めたい」と浮かれてはいない。快進撃が止まらない熊本国府。準決勝は強豪・神村学園が相手だが、勢いそのままに倒すことが出来るか。

この記事の執筆者: 田中 裕毅

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.24

夏の滋賀を盛り上げる23人の逸材を紹介!近畿屈指の大型遊撃手・岩井(滋賀学園)、名門・近江の大エース西山など投打に人材揃い

2024.06.24

秋田の組み合わせ決まる!明桜が初戦からいきなり金足農と対戦、初戦から秋春の王者対決【2024夏の甲子園】

2024.06.24

昨夏甲子園出場の文星芸大附の卒業生進路紹介!主力は上武大、国士舘大、東京農業大へ進学!

2024.06.25

昨夏甲子園16強・北海の卒業生進路紹介!元巨人外野手の息子らが中央大、147キロ右腕は社会人へ

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.23

プロ注目の大阪桐蔭・徳丸が大学生相手に決勝アーチ!直近3週間5本塁打と量産態勢!2年ぶり夏甲子園へ強打者の勢い止まらず!

2024.06.23

大阪桐蔭が名門・日体大に1勝1分け! スター選手たちが快投・豪快弾・猛打賞! スーパー1年生もスタメン出場 【交流試合】

2024.06.19

夏の兵庫大会のヒーロー候補21人!報徳学園・今朝丸、神戸弘陵・村上の「151キロ右腕二人」が筆頭格!投打にタレント揃いの東洋大姫路にも注目

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.06.24

愛媛の組み合わせ決定!今春優勝の松山商・大西主将は「どのチームと闘っても自信をもってベストなゲームをしたい」シード4校主将が意気込み語る!

2024.06.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在41地区が決定、長崎、高知、新潟、大分などでシードが決まる〈6月10日〉

2024.06.21

なぜ高校野球の新たなリーグ戦は拡大し続けているのか?『チームのために個人がいる』ではなく『個人の成長のためにチームがある』~野球指導者・阪長友仁のビジョン後編~【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.7】

2024.06.14

【福岡】九州国際大付は小倉商、東海大福岡は小倉南、春日は大川樟風、福岡大大濠は輝翔館と対戦【2024夏の甲子園】