試合レポート

【近畿】1852年創立の耐久が春夏通じて初の甲子園へ大きく前進!冷水の好投で須磨翔風を下す(秋季地区大会)

2023.10.30


1失点完投勝利を収めた冷水孝輔(耐久)

<秋季近畿地区高校野球大会:耐久4ー1須磨翔風>◇29日◇準々決勝◇大阪シティ信用金庫スタジアム

和歌山1位の耐久が、兵庫2位の須磨翔風を下して、春夏通じて初の甲子園出場に大きく前進した。
連戦になった両校は耐久の冷水 孝輔投手(2年)、須磨翔風の槙野 遥斗投手(2年)の両エースがこの日も連投。ともに前日の1回戦で完投していたが、疲れを感じさせない好投を見せ、4回まで1対1と白熱した投手戦を展開する。
試合が動いたのは5回、耐久は2本の安打で2死二、三塁のチャンスを作ると、3番・澤 剣太郎内野手(2年)の当たりは平凡な二ゴロとなるが、これを二塁手の榧谷 颯人内野手(2年)がファンブル。その間に三塁走者が生還して耐久が1点を勝ち越した。
これでエンジンがかかったのが冷水。4回頃から前日に162球を投げた疲れを感じていたそうだが、「勝ち越してからは落ち着いて投げようと思っていたので、それが制球力に出たのかなと思います」と序盤以上に丁寧な投球を見せて凡打の山を築く。守備陣も良く守り、走者を出しながらも得点を許さなかった。
追加点が欲しい耐久は8回に1死満塁から6番・川合 晶翔捕手(2年)の右犠飛で1点を加えると、さらに2死一、二塁から7番・中 啓隆外野手(2年)が左翼線に適時二塁打を放ち、リードを3点に広げた。
最後まで球威が衰えなかった冷水は9回も無失点に抑えて1失点完投。1852年創立の伝統校がついに甲子園出場へ大きく前進した。
「とにかく冷水が良く投げてくれたので、素直に嬉しかったです。夢のようですけど、色んな先輩方が受け継いできてもらったものがこの結果に繋がって良かったと思います」とOBの井原正善監督は感慨深げ。和歌山県大会を1位で勝ち抜いた実力を近畿大会でも遺憾なく発揮した。

2日で270球の熱投を見せた冷水は「自分たちが初めてプレーする場所なので、楽しみというのが一番強いと思います」と初めての甲子園に大きく前進して胸を躍らせる。全国の強豪校にも粘り強い彼の投球は十分に通用するだろう。
須磨翔風は4失策と守備が乱れ、失点は全て失策が絡んだもの。自責点0ながら4失点に終わった槙野は「粘り切ることができなかったのが一番悔しいです」と肩を落とした。
甲子園初出場へ大きく前進することはできなかったが、初めての近畿大会で十分に存在感を示した。来年1月に彼らへ吉報は届くだろうか。

この記事の執筆者: 鎌田 光津希

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