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中日 昨年ドラフト3位のルーキーが故障で育成降格! 高卒1年目の4月に23イニング、375球を投じていた

2023.11.07


阿南光時代・森山暁生

日本シリーズも終わったこの日、中日ファンには衝撃的なニュースが入った。高卒1年目の森山 暁生投手(阿南光出身)が育成降格となったのである。
森山は昨年ドラフト3位で入団したばかり。阿南光時代は、2年夏の甲子園に出場し、真っ向から振り下ろす140キロ前半のストレート、カーブ、スライダーで翻弄する本格派左腕として注目を浴びた。完成度も高く、将来性も豊かな逸材だった森山は、早くも今年の4月から二軍のローテーションに入った。
4月5日 オリックス戦 5.1回 自責点2 88球
4月13日 阪神戦 6回 自責点1 83球
4月23日 阪神戦 6回 自責点3 97球
4月30日 広島 5.2回 自責点2 107球
シーズン開幕直後に森山はじつに23イニング、375球を投げたのだった。そして、4月30日が二軍での最後の登板になった。森山の1年目の成績は「4試合 0勝1敗 23回 7奪三振 防御率3.13」である。森山の育成降格は故障が理由だと報じられている。
高卒1年目の投手がいきなり故障したのはなぜだろう。さまざまな理由があったのだろうし、結果論と言われてしまうかもしれないが、どうしても疑問を感じてしまう。通常、高卒1年目の序盤の時期は、体作りの段階だ。森山がいきなり4月から二軍のローテーションとして入った理由は何だったのだろう。選手層が薄く、投げざるを得なかったのか。プロレベルの体がすでに出来上がっていたのだろうか。それとも何か二軍首脳陣の育成ビジョンがあったのだろうか。

1年目から二軍でローテーションとして投げること自体は問題ではない。例えば森山と同じ昨年のドラフトで阪神から2位の指名を受けた左腕・門別 啓人投手(東海大札幌)は12試合、7先発、55回を投げている。が、これは1年間通しての数字なのだ。4月21日の中日戦が二軍初登板となり、この時は1イニング22球。そして5月10日の広島戦で初先発となり、5回、71球、1失点。5月17日の中日戦で4回69球、2失点の好投。6月1日の中日戦では5回95球と多めの数だったが、そこから6月18日の広島戦で2回30球のリリーフ登板と、登板間隔を空けて、球数にも気を配っているのが分かる。

そしてその後、登板を重ね、8月25日のソフトバンク戦では、6回94球、3失点、9月3日のオリックス戦では6回92球、3失点。8月後半から連続で90球投げているように、段階を追って長いイニングを投げられるように調整をしていたのがうかがえる。そして門別はシーズン終盤に一軍でも2試合に登板。大きな経験を積んだ。
中日は今年のドラフトでも151キロ左腕・福田 幸之介投手(履正社)を4位で指名した。福田はかなりの力投派。球数が重なると、故障のリスクも考えられる。慎重に育ててもらいたい。
森山が復活し、一軍の大舞台でその実力が発揮できることを期待したい。

この記事の執筆者: 河嶋 宗一

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